第三十七話 「会議」
俺たちはマティミエス国にいる。この国は今、ヴァルデリア帝国の傘下のヴァンパ国と戦っている。俺たちは、その助けをすることになった。
「はぁ〜」
と俺の口からため息が出た。俺は戦争を手伝うのは反対だ。それに、戦争に参加しなくても、俺たちは俺たちでウェバック大陸に帰りさえすればいいはずなのにエリーナやラングが賛成するから仕方が無く俺も賛成したんだ。しかも、この国の長官が言うにはヴァンパ国はこの国の5倍以上の兵力があり、この世界最強クラスの国のヴァルデリア帝国の支援ももらっているそうだ。今日は、その長官とこの国の一番偉い奴とこの戦いについて会議する予定だ。
俺たちが談話室で待っていると長官とこの国で一番偉い奴が来た。見るからに偉そうな服装をしており、全身キンキラキンと輝いていた。こいつも長官とかと同じ魔族か...ムキムキの肉体には全く似合っていない服装だ。
すると、その男が
「どうもこの国の13代目の長であるダッチ・マティミエスです。ダッチと呼んでください。以後お見知り置きを」
とかしこまった言い方で言って来た。こんなにムキムキな体なのに意外としっかりしているな。と思っているとエリーナが
「私がエリーナです。でこっちがラングで、こっちがグレイス。よろしく」
と軽口で挨拶したのだ。このバカやろーと思った俺とラングは流石にやばいと思い、ダッチさんの方を見るとなんと、ニコニコしていたのだった。そして
「なんで美しい女性だ。こんな人間がいたなんて...」
と勝手に感動していたのだった。それを聞くなり、エリーナは調子に乗って
「そうでしょ。見る目あるわね〜」
と調子に乗り出したのである。これいじょうはなしぎ続くと面倒だと思い俺は
「とりあえず、会議を始めましょう?ね?」
とエリーナとダッチさんの方を見た。2人は納得し会議を始めることができた。
ダッチさんの話を聞くと約2年前にこの国に対してヴァルデリア帝国がうちの国の傘下に入らないか?と手紙を送って来てそれを断っからこの戦いが起こったらしい。
なかなかに酷い国だ。と思いつつも話を聞くとそれで1年前からヴァルデリア帝国の傘下であるヴァンパ国からの侵攻を受けいて、初めは五分五分だったが、ヴァルデリア帝国から送られた援軍によって国の大半を奪われ、兵力も3割を失ったそうだ。
ヴァルデリア国の援軍か...。俺の知り合いにはヴァルデリア帝国と因縁の深いやつが何人かいるから話は聞いたことがあるが、上級クラス兵士でも最上級魔術は使えるほどには強敵で幹部クラスになれば、国1つ分の領土を灰にすることができると言う。俺たち3人が増えてもどうにもならないような気がする。藁にもすがる思いなのだろう...。
そして、続けて
「きっと明日ごろにこの町に攻撃を仕掛けにくるでしょう」
と言った。俺はつい
「えっ?」
と漏らしてしまった。嘘だろ嘘だろ...明日?どうにもならないだろ。
「あなた方の気持ちもわかります。とりあえずもし攻めて来たら城壁の上から弓矢で攻撃し、いい感じに兵が減ったら我が軍の得意な近接戦で勝負します」
「いやいや、城壁から弓矢では無く魔術の方がいいのでは?」
と提案してみると
「いえ。我が軍は肉体強化系魔術以外魔術苦手なので...」
と言って来た。忘れてた。こいつら多分脳筋だ。まぁもし、負けそうになったら寝返ろうかな...
「もうお時間です」
と長官がいいダッチさんが
「一応明日は私が指揮を取る。よろしく頼んだ」
と言って出ていってしまった。
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