第三十三話 「誘拐」
あれから何日が経っただろうか。
俺が揺れで目を覚ますとそこは薄暗い馬車の荷台だった。
体を動かそうにもを縄で縛られていてうまく動かせない。
俺はここがどこか分からず周りを見た。
周りには俺のように縛られてまだ眠っている男女かわからない同い年くらいの人が2人いた。
俺はここから逃げるために魔術を使おうとしたが、体が縛られていて上手く魔力を込められない。
なんでだよと思って、体を無理やり動かしていると馬車が止まった。
すると、誰かこちらに向かって来て荷台の扉を開けた。
そいつが俺が起きていることに気がつくと、俺の顔に向かってハンカチを無理やりねじ込んできた。
俺は抵抗しようとしたが、体を縄で縛られているため一切の抵抗ができずそのまま気を失ってしまった。
俺が次に目を覚ますとレンガ造りの薄暗い部屋の中にいた。
縄は解かれており、自由に動けた。
くそっあの時ギャンブルを辞めていたら...と後悔して周りを見ると、俺より年上ぽい人が2人いた。
1人は薄い青髪のした少年で、もう1人は薄い赤髪のショートヘアの少女だ。
髪色からして兄妹ではなさそうだ。
だが、2人ともなかなかに美男美女だ。
男の方は俺に勝るかもしれない。
俺はとりあえずその2人を起こす前に扉を引いてみた。
流石に扉には鍵はかけられていた。
魔術で扉を破壊する前に仕方がなくその2人を起こすことにした。
俺は先に少女の方を起こした。
俺は仰向けになっていた彼女を揺らしながら
「おい!大丈夫か?」
と声をかけた。
幸いその少女はすぐに起きて
「んー?ここは?てかあんた誰なのよ!変態!」
と言って俺をビンタした。
俺はいきなりで何もできずにそのまま倒れた。
その少女が
「わぁーん。ここどこなのよー」
と大声で叫ぶと男の方が
「おいおいなんだよ...」
と言って起きた。
すると、少女の大声を聞きつけたのか直後に扉がに開いた。
そこに立っていたのは5人の武器を持った男たちであった。
「商品が起きたみたいだな。教育してやる」
と言って1人の男が俺に鞭を振ってきた。
鞭は俺の額に当たり出血した。
俺は痛みに耐えながら俺に鞭を振るった男に対して『業火槍』を放った。
久しぶりに杖なしで魔術を使ったため威力は弱かったが、生身の人に攻撃するには十分だった。
俺に鞭を振るった男に当たった瞬間に体を貫通し後ろにいた2人の男共々一瞬で燃えて灰になった。
それを見た他の2人は
「おいおい。こいつ魔術が使えるぜ、なら生け取りにしなきゃな」
と短刀を出しながら言って来た。
生け取りにするのに短刀使うのかよと思いつつ俺は『聖水銃』を放ち1人を壁に激突され倒した。
しかし、もう1人には当たっていなかったようでこちらに向かってくる。
このままでは短刀で刺されてしまうと思っていた次の瞬間に青髪の少年が壊れた扉の破片を剣のようにしてもう1人を横から男に刺した。
刺された男はみぞおちに扉の破片が刺さったようで大量に血を流して失血死したようだった。
俺はとりあえず止血した後に青髪の少年と赤髪の少女と外に出た。
外に出るとそには真っ赤な空と赤色の荒れた大地が広がっていた。
これからどうすればいいんだ?
読んでくれてありがとうございます。もし、気に入ってくださった方はブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。




