第二十八話 「防御魔術」
もう、ここに働き出して1か月が経った。
俺は、最近思ったことがある。
それは、俺はこの大学の研究員として働きにきたはずだ。
だが、ふたを開ければ毎日毎日雑用ばかりで研究員とはいえない仕事内容だ。
こんな仕事内容なら初級魔術士でもできる。
だが、給料そこらへんより高いからやめるつもりはないが正直辞めたい。
俺が辞めたくないのは給料が高いからとミルフィーのかわいい姿を見るためだけに働きに来ているようなものだ。
そういえば彼女は俺と同じ研究員ではなくガチの雑用係ということを知った。
だから、あんなに魔術が使えなかったのか。
俺は、この魔術スキルを活かすべくグラヴィス教授に直談判しに行った。
俺が俺の魔術スキルを活かしきれていないことを言うと
「すまない。雑務だらけで。ちょうど今日は暇だし、お詫びとして私が君の魔術を見せて教えよう。私だって一応炎属性の王級魔術師なので」
「え?ほんとですか!?」
「ああ、今すぐ行こう」
とグラヴィス教授に付いて行った。
グラヴィス教授に連れられて、馬車で大学の敷地内の平野についた。
あたり一面に面地平線まで緑の平原だ。
この大学どれで広いんだよ…と思っていると
「そういえば君はなんで王級魔術をできるようになりたいだい?普通の人なら上級魔術が使えればいい方なのに」
と聞かれた。
そういえばそうだ。
俺はこの世界に来てからとりあえず、特に理由もなくとにかくがむしゃらに魔術を練習していた。
俺は答えられられなかった。
すると、
「ハハハハハ」
と笑われて、
「そうだよな私もこの年になっても理由が見つかってないからな。さあ始めようか」
俺はとりあえず、いつものように最上級魔術の練習を始めた。
少し見ている、グラヴィス教授は
「君は防御魔術を使える?」
と聞かれたので
「一応中級の『防御』は使えます」
「そうか。なら、まずは『最上級防御』からだな。やり方は普通に『防御』をより強固に魔術を使う感じだな。」
と言われるがままにするとすぐにできた。
「やはり。君には才能がある。才能のない生徒たちに教えるよりも何倍をやりがいを感じるよ」
続けて
「なら、『反射』を見せよう。俺に向かって何か魔術を打ってください」
と言われた。
多少はためらったが俺は、教授に向かって『聖水鉄砲』を放った。
教授の顔に『聖水鉄砲』が直撃しそうになった瞬間に跳ね返って来た。
俺はそれから身を守るために、『防御』を貼った。
『防御』のおかげで防げたが、なぜ俺の『聖水鉄砲』が跳ね返って来たのだろう?と考えていると
「これが『反射』だ。まあ、タイミングが合わないとできないので、あまり役に立たないが、カウンターとしては無類の強さを誇る。こんな時間だ。帰ろうか」
と言って帰った。
帰る途中に教授が、
「3日後にアルマダ山脈周辺の調査に行くことになっている。行って来てくれるか?」
と聞かれて俺はやっとか。と思い
「もちろんです」
と答えた。
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