第十ニ話 「複雑な1日」
ある日
俺たちが今日のミッションを終えてホテルで飯を食っていると、全身黒ずくめのロングコート姿で、俺を眠らせてこの街に連れてきた男が現れた。
その男は俺に気が付いた瞬間にこちらへ無言で近寄ってきた。
「おい。ちょっとこい」
と言われ店のトイレまで連れていかれた。
一体ナニが始まるんだ?
「言い忘れていたんだがな」
男は淡々と俺に告げる。
「お前の借金には利子がつく。ちょうど1ヶ月経つから言いにきた。利子の金額は大体月に100マーラほどだ。これから、月に一回ここに借金を返しに来い。とにかく今回は有り金を出しな」
俺は驚いた。
利子があることにも驚いたが、百マーラという数字は、ちょうどこの一か月で俺が稼いだ額と同じだった。
つまり、このままでは永遠に借金を返すことなどのできない。
くそっ!
俺は渋々なけなしの100マーラを支払って、その男はどっかにいった。
最悪だ…。
俺はこのままではいけないと思い、食堂に戻ると仲間たちに切り出した。
サヴァが眉をひそめる。
「俺たちの魔術も剣術も中級だろ? 倒せる魔物はせいぜいCランクまでだ。今でも十分暮らせてるし、無理する必要なくないか?」
「で、でも……俺は上級魔術師だし……」
自分で言っておいて、少し恥ずかしくなる。
すると俺は、勢いでこう続けてしまった。
「大丈夫だ。俺、最強だから」
……少し、どこかの最強銀髪呪術師みたいな台詞だった。
「あっ……ああ」
仲間たちは若干引き気味に頷いていた。
その日はそれ以上話が進むこともなく、俺は自分の部屋に戻った。
少し休憩した後、汗を流そうとシャワー室へ向かう。
そこで、違和感に気づいた。
…んっ?
あっ!ここ女子用だ!
慌てて出ようとした、そのとき。
……いや、ちょっとくらいなら。
そんな悪魔の囁きが、頭をよぎる。
視線を巡らせると、棚の上に見覚えのある服が置いてあった。
出なきゃ...。
でも、少しだけ見てもバチは当たらないよね!
俺はすぐさま出ようとしたが、せっかく入ったのだし堪能しなければと思い、周りを見渡すとなんとそこにはミラの服があった!
こ、これはもしや!?
俺はミラの服を見つけて匂いを嗅いでいると、奥からミラの声が聞こえた。
鼻歌が、奥の個室から聞こえてくる。
よし、見に行くしかないか!
俺は個室のシャワー室に静かに向かった。
俺は『透視』を使ってのぞいた。
なんとそこにはミラが裸で立っている。
おお!!
後ろ姿だが、その美しい小ぶりのお尻と、降ろされた長い髪が絶妙にエロい。
「そこに誰かいるの?」
その瞬間。
「……そこに、誰かいる?」
今まで見えななかった、ミラの正面が見えた。
まだ、成長しきっていない胸、湯気で絶妙に見えない股間。
視線は天国のようだ。
「やばっ!」
カーテンが揺れた瞬間、俺は全力でその場を離脱した。
自分の部屋へ転がり込んで、ようやく一息つく。
そのとき、手に何かが握られていることに気づいた。
「……あ」
ミラの下着だった。
返すのも気まずいし……いや、絶対に後で返そう。
今は、預かっているだけだ。
そういうことにしておこう。
翌日――
「ねえ……私のブラ、知らない?」
ミラが、顔を赤くして聞いてきた。
「う、うん。知らないな……」
サヴァたちも、なぜかニヤニヤしている。
借金の利子で百マーラ取られたときは最悪だったが、
正直、今はちょっとだけ、気分がいい。
でもまあ、なんとかなるだろ。
なんてったって俺、最強だから。
読んでくれてありがとうございます!もし、気に入ってくださった方はブックマークや★5評価、感想、リアクションをいただけると励みになり嬉しいです。また、誤字脱字等あれば報告してくれると助かります!
X(旧Twitter)もやっているので是非フォローやコメントしてください!アカウントはこちら→@gari_221




