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18/31

<18・混迷。>


●CHOCO_CORO @chococococooc11

すげえ、ついに日時新聞が記事出してるwwww


今話題の、“知ってはいけない言葉”とは?その正体に迫る! news.nitijin.jp/neruka/892615



●荒野のサムライ @taA8fgemnap

 返信先: @chococococooc11

へえ、日時新聞とかってネットニュースでもこういうオカルト系は取り扱わないことにしているとばかり思ってた



●CHOCO_CORO @chococococooc11

 返信先: @taA8fgemnap

サムライさんこんちはー。

いやー、さすがに閲覧数伸びそうな話題には食いつくでしょ!

新聞の発行部数も落ちてるだろうし、ネットで稼がないとね



●荒野のサムライ @taA8fgemnap

 返信先: @chococococooc11

それは言えてるwww

うーん、でも記事見ても目新しい情報は全然ないね。“知ってはいけない言葉”について詳しい情報がなんもないや

ネット掲示板のえぶりちゃんねるで最初に書きこまれたらしい?ていうのは知らなかったけどさ



●CHOCO_CORO @chococococooc11

 返信先: @taA8fgemnap

最近立て続けに起きた、両足首のない死体?あれが知ってはいけない言葉を知ってしまった呪いのせいだって言われてるみたいだよね

確かに、血からづくで大人の足首引きちぎるとか人間にできることじゃないもんなー



●荒野のサムライ @taA8fgemnap

 返信先: @chococococooc11

オカルトだとしか思えないよね。警察も頭抱えてるんだろうなあ。立場上、オバケが犯人ですとは言えないし。

起きた場所がバラバラなもんだから、獣の仕業だとも言いづらいだろうしね



●CHOCO_CORO @chococococooc11

 返信先: @taA8fgemnap

実際そんなものあるのかな。あったら面白いとは思うけど。

しかし、どんな言葉なのか想像もつかないや



●荒野のサムライ @taA8fgemnap

 返信先: @chococococooc11

邪神の名前じゃないか?みたいなのが今の風説になってるよね

ホニャララニャララーみたいな人間の言葉では発音しづらい名前なのかな?聞いてみたいなー



●CHOCO_CORO @chococococooc11

 返信先: @taA8fgemnap

だから聞いたら呪われるんだってばwwww

サムライさんてば勇者wwwww





 ***





●知ってはいけない言葉について @sittehaikenaikotoba

急にこんなアカウントを開設してすみません。

知ってはいけない言葉、について皆さんに周知したくてご連絡しました。

この都市伝説について疑っている人もいるとは思いますが、これは本物です。知ってはいけない言葉、を聞いたり見たりしたら最後確実に呪われます。



●知ってはいけない言葉について @sittehaikenaikotoba

 返信先: @sittehaikenaikotoba

知った者の元には一日~数日後、カミサマが現れてあなたの足首を貰いにきます。

そうなったら、助かる方法は自分で自分の足首を切り落として捧げることだけです。

だから無闇に知ろうとしたりしてはいけません。怪しいリンクは絶対開かないでください。私も、もうすぐ死にます。このアカウントが更新されなくなったら、その時は……




●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @sittehaikenaikotoba

釣り乙wwwww



●小説投稿サイトスターライツ滅びろ @j03wmc9

 返信先: @sittehaikenaikotoba

まーた変なアカウント作ってる馬鹿がいるよwwww

スターライツと一緒に滅んでくれよwwwww



●新庄さんといっしょ @love_sinnzyosan

 返信先: @sittehaikenaikotoba

これマジ?



●ななこさんは受験生 @nanana77777

 返信先: @sittehaikenaikotoba

都市伝説とかで面白がりたいのが見え見え。みんなの不安をそんなに煽って楽しいんですか?やめてください。

知ってはいけない言葉なんて、そんなものが本当にあるなら回避しようがないじゃないですか。

みんを怖がらせて面白がるのはやめてください



●最高速ありゲート @arigatotoototo892

 返信先: @sittehaikenaikotoba

怪しいリンクって言われても、迷惑メールに注意するくらいの感覚でいいの?ていうか、怖い話作るってならちゃんと対抗神話も一緒に広めてくれないと困るよ

自分の足を切り落とさないと助からないとかムリゲーじゃん。もう少し現実的にどうにかできる方法考えてよ



●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @sittehaikenaikotoba, @Ino89Hmpefgim

誰か―!こいつの嘘を暴いてやってくれー!

こういうの嘘乙ってわかる霊能者とかどっかにいないのー?



●さえこ @was9j0-^025sa

 返信先: @sittehaikenaikotoba, @Ino89Hmpefgim, @Ino89Hmpefgim

ウソだと思うなら、このアドレスの先に飛んでみればいいよ

あなたにも本当のことがわかるから


つ 【URL】



●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @was9j0-^025sa

はー笑うわこんなん。見てやろうじゃん



●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @was9j0-^025sa, @Ino89Hmpefgim

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●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @was9j0-^025sa, @Ino89Hmpefgim

げrq09@mjg-9,3k「-0dxl3い1q0「l4.い「-0いm-、9qxd、0jl。「4-49、い「-



●点々ボーイ @Ino89Hmpefgim

 返信先: @was9j0-^025sa, @Ino89Hmpefgim

しねしねしねしね

なんでおれが、おれが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





 ***





 最悪だ。何でこんなことになってしまったんだ。

 宗教法人、浄罪の箱。その最高幹部の一人である濱田寛助(はまだかんすけ)は、スマホの画面を見て頭を抱えていた。

 知ってはいけない言葉――その都市伝説が、自分達が埋めた“アレ”を由来として始まったことは火を見るよりも明らかだった。足を切り落とされた死体、その名前を知られるだけで人を祟る怪異。それほどの力を持つ怪物など、自分達は一つしか知らないからである。


『それが、神様への正しい扱い方なのですか?散々願いを叶えて貰って、供物を捧げてきながら。扱いきれなくなって呪いが溢れたから、再封印して地中に埋めてしまおうなんて!』


 彼の呆れ果てた顔が、今でも忘れられない。


『それで、何もかも解決できると思っているのでしたらちゃんちゃらおかしいです。濱田さん、貴方はもう少し聡明な方だと思っていたのですが……非常に残念ですね。どうやらこれ以上、貴方と一緒にこの教団を盛り上げていくことはできないようです。私は私のやり方で、神への忠義を尽くさせて頂きます』

『な、何をする気だ!?』

『決まっています。もう一度、神を正しくお祀りし、清く正しく収めることで呪いを解いていただくのです』

『ま、待て秋風!秋風――!!』


 濱田が止めるのも聞かず。彼――秋風英(あきかぜえい)は教団を去ってしまった。新たに自分の庭である、アルマの鳥を立ち上げて。元々、幹部の中でもひときわ人望があった秋風である。多くの信者たちが彼と共に出ていってしまい、ただでさえあの事件で人数が減っていた浄罪の箱をますます落ちぶれさせる結果となってしまったのだった。

 彼が何を考えているのかはわかっている。彼は誰よりも信仰心が強く、神を愛する心を持った人物だった。そして、教団の現状をずっと憂いていた。確かに、御神体を正しく祀るだけして、余計な願い事などしなければこの状況は起こりえなかったことだろう。このままでは願い事と供物が釣り合わなくなる、とずっと警告していた秋風を無視してしまったのは他でもない自分達だ。もしあの日の現場に濱田がいたのなら、きっと自分も他の信者たちと一緒に呪いに飲まれて死んでいたに違いない。


――わかっている。欲望に負けて、神の力を悪用した罰が下ったのだと。だが……だが、再度封印を施すということは。アレを鎮める儀式をするということは、つまり……!


 秋風に、邪な心など一切ないのだろう。それがかえって恐ろしい。彼は、神のためとなるのであれば、一切の悪意もなく残酷な行為に手を染めてしまえる男だ。

 同時に、誰よりも強い魔力を持っている。あの男を止められる人間は、もはや浄罪の箱には残っていない。ただでさえ、魔術師はもうこの教団に自分とあと一人しかいないというのに。


――このままでは、さらに犠牲者が出る。どうすればいい、どうすれば……!


 ソファーに沈みこみ、思わず呻き声を漏らしたその時だった。トントン、とドアがノックされる音。顔を出したのは、浄罪の箱の事務員の女性だった。


「あの、濱田様。……霊能者だという、お客様がお見えになっているのですが……」

「……通しなさい」


 この教団を、このタイミングで訪れたということは――つまりそういうことだろう。濱田はため息交じりに、そう答えた。

 猫の手も借りたいとはまさにこのことだ、そう思いながら。

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