奴隷心臓
物のように扱ってもいいか。へー。言ったな
「ならこれを胸部に当てろ。そうしたら君の言葉を信用してやる」
私は魔力石で作った奴隷心臓を女に差し出すと女は躊躇せず、私の持っていた奴隷心臓を自ら胸部に当てる。奴隷心臓は当てた女の胸部に沈むように吸い込まれていく。
「これでどうですか?」
女は私を見ながらいう。この子私がまだ奴隷心臓の説明をしてないのになんの迷いもなく取り込みやがった。
「今私が君に渡したのは奴隷心臓。それは私を裏切れば即死する。そして君は遠くに離れていても君のいる場所がわかる。そういう代物だ。しっかしよくためらいもしないで胸部に当てたね。毒でも入ってたらどうする気だったの?」
「言ったでしょう。私をものとしても扱ってと良いと。それにあなたに殺されてしまうならそれはそれで本望。醜い姿で死ねるより人の姿で死ねる方が幸せですから」
女は私を真剣な顔で見ていう。その覚悟に私も答えないとな。
「君、名前は?」
「名前は、あなたが新しくつけてください。あなたは私の主人になるんですから」
主人か。別に気にしなくてもいいんだが裏切ったらこいつが死ぬだけだし。んー。名前か。適当に
「ワンナで」
「ワンナ、ですか?」
「うん。1番目の私の奴隷だからワンナ。それだけだよ。だめかな?」
「いえ。主人。素敵な名前をありがとう。これからはワンナと名乗らせていただきます」
ワンナは私の前で頭を下げた後、私に忠誠を誓う。
「それでは私は何をすればよろしいでしょうか?」
何をすればよろしいか。うーん。何をさせようか。研究は1人でしたいし困るとしても素材の仕入れだな。オウドーは魔力石を持って来てくれるからいいけど他の素材も使いたいしな。
「なら島の外に出て素材集めをしてきてくれないか。私はここで研究をしていたいんだ」
私はワンナに言うとワンナは顎に手を当て
「ふむ。主人はここで研究がしたいと。私的には主人には護衛が必要だと思います」
指示をあおいできたのにまさかの意見を言ってくるとは
「ワンナ。私に指示をあおいだのに意見してくるその理由は」
「そうですね。まずは主人は研究がしたいと言っていました。ですから主人の身を守るための護衛がいればより主人が研究に集中できると考えたからです」
それは確かに言えてるな。しかしワンナに声を任せたら素材が、というかそもそも私に護衛なんているのか?必要ないんじゃないか?
「今の主人には護衛は必要ないかもしれません。ですが私のような生贄がまだ続くようであれば私の予想ですと主人の存在はいずれ世に広まります」
えー。広まるのかよ。