四年後
私は雨竜オウドーに拾われ4年が経った。オウドーは最初の頃は私のことを丁寧に育ててくれた。離乳食がこの世界にあるかはわからんがオウドーは用意はできなかったが代わりに魔力で私の腹を満たしてくれた。
「すまないな。人間種なんて育てたことがないから赤子の食事とかはよくわからん。だが魔力を注げばある程度は腹が膨れる。満腹とはいかないが今は我慢してくれ」
魔力で腹を満たせるのか。では私は魔力の訓練も兼ねて空腹時に魔力で腹を満たせるくらいには魔力を鍛えておこう。
そしてその生活を続け4歳になった私はオウドーは私の魔力を見て恐怖するほどに魔力が成長したらしい。
私の魔力を見てオウドーは腰を抜かすくらい驚いていた。
「シズク。おまえ魔法の才能がかなりあるな。すごいぞシズク」
オウドーは人間の姿ど私の頭を撫でる。赤ん坊の時から魔力の練り上げはずっとやっていたからな。魔力操作はかなり高い方だと自負している。比較対象がオウドーしかいないから私がどれだけすごいかは分からないけど。でも私には魔力操作もだけどもっと大事なものがある。それは
「シズク。またあの作った部屋にこもるのかい?」
「うん。父さん。私研究がしたいから」
「研究するのはよいがお前は外の世界に興味はないのか?この島にはわししかおらんし」
それがいいんじゃないか。この島は雨竜オウドーの領地、雨竜島というらしい。そして私のような供物を捧げる理由は雨を降らせてもらう代わりに生贄をよこせと雨竜は人間と契約したらしい。
「お前さんという生け贄以来果物とかしか供物が来ないからな。別にわしは良いがお前は人間のいる場所で研究なりなんなりすればよかろう」
「いやだよ父さん。私は1人で研究したいんだ。他の人とやるのは最もごめんだね。それにもし私のもとにつかせるとしてもこれをつけるから」
私はオウドーの前に1番最初に作ったものをオウドーに見せる。
「シズク。それは」
「これは私が1番最初に研究して作った道具、奴隷心臓だよ」
奴隷心臓。これは魔力石と呼ばれる鉱石に私の魔力を流し込んだもの。これは胸部に当てるとその人の心臓と同化し私の命令1つでそいつの心臓を潰せる。まさに生き死にを管理できるんだ。
「シズク。わしはそんなものを作るために魔力石を持ってこさせたんか?」
オウドーは厳しい目で私を見る。オウドーは年に1回龍会議というものがあるらしくそれに出ているのだがその帰りに私が「なんでもいいからお土産お願い」というと魔力石を毎年持ってきた。おかげで奴隷心臓は4つ作った。