最悪の召喚 1
事は雷太が付近に駆けつけるものの数分前だ。
金髪に煌めく長い髪の毛、青い宝石を部分部分に使った紫が基調の服装の魔女がいた。箒を使わず浮遊していて、寧ろ付近で箒自体が浮遊している状態である。
その目の前で対峙する形でナゾ子とドロシーが構えていた。
「あああーーーーー!!! キラキラ魔法の魔女やろう!」
ナゾ子が人差し指の先端を向けて叫ぶ。対象であるドロテア シャインという魔女は口を曲げて不愉快そうなそぶりを見せた。
「だからそれで呼ぶな! お前たちに恨みはいっぱいあるが、とりあえず依頼なので消させてもらう!」
「そうはいかないぜ? お前の嫌な相手は知ってるからな!」
大きな魔法陣を幾つも空中に出し、それを対峙している間で縦にスライスチーズのように重ね、風音が召喚される。ナゾ子のびっくりドッキリおまけ付き。
「……へ? なんで天界にいるの?」
「うわ! 怪盗謎解かない…今は少女ではなかったな」
「何ようちをオバサンみたいな扱いして! 嫌だから倒すもんね!」
口論してる内にドロシーの手を引いてナゾ子はドロシーの手首を掴んで次の目的地へ飛び去る。
風音は両手の指の隙間を埋め頭の幅くらい隙間で胸の前で止め、周囲の微弱なエネルギーをかき集め青い炎へと変換。
それをオーバースローでドロテアへ真っ直ぐストレートで飛ばす。
対して浮遊させていた箒を持ち野球のように打ち返す。青い炎は神秘の島方面で飛んで行く。何度もそのやり取りが繰り返され神秘の島では爆炎や火柱が何本も立った。
負けじとドロテアも光エネルギーを放つ。光そのものが物理判定なので、風音は結界を展開し防ぐ。
ちなみに神秘の島では雷太が炎のエネルギーやドロテアの放つ光エネルギーを、こあやツカサに被弾しないよう、雷魔法をまとった拳で何度も殴る。あまりにも強大なエネルギーの数々に手の甲や指は無数の傷ができていた。
「一気に決めるよ! 今日こそ勝つ!」
「こっちこそだ!」
二人ともエネルギーを何倍にも高めだし周辺の空間には異空間の亀裂が乱反射する。
島でその光景を見ていた雷太はまずいと確信し、両脇にこあとツカサを抱え全力で大都市の方へ飛ぶ。