10章 出題者のり子、その景品は?-3
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
22/12/05 9:45 事務所
「まあいいわ、じゃあ次の問題よ。次はよくあるアリナシクイズね、クリスマスも近いことだしイベントで行こうかしらね?次々に言っていくから、分かった時点で答えてね。」
「じゃあ行くわよ。クリスマスにあって、バレンタインデーにないもの。」
(さすがにこんな短い問題では分からんな。)
(クリスマスと言えば、プレゼント?でもバレンタインデーもチョコをプレゼントするしな。トナカイ?ソリ?ケーキ?)
一応参加はしている忠司と、単語からあれこれ連想していく雅樹。
「これだけじゃ厳しいわよね、じゃあ次。お正月にあって、お花見にはないわ。」
(あれか。)
(お年玉?おせち?でもクリスマスとは関係ないし…。)
先に閃いた様子の忠司、一方まだ分かっていない様子の雅樹。
「あら八重島さん、分かったご様子ね?解答権つかう?」
のり子が勝たせようと促すも、一応次を聞いてからと控えめな忠司。
(もう、さっさと答えなさいよ!わざと八重島さんに有利な出題してるのに。)
「じゃあ次、これで二人が解答しないならヒント問題に切り替えるわ。ハロウィンにあって、ゴールデンウィークにはないわ。」
(サンタや妖怪への仮装?でも正月は着ても着物だし…。テレビ中継?いやない側もテレビの企画によく使われるし。)
雅樹がうーんと考えていると、黙ったままの忠司へのり子が促す。
「ねぇ"所長"?分かってるなら解答どうぞ。」
「仕方ない、答えは"象徴的な飾り"だろ。クリスマスのイルミネーション・正月の松飾り・ハロウィンのかぼちゃ。そうだろ?」
「ピンポーン、これで同点ね!この後はヒント問題として、『七夕にあってお盆にない』『こどもの日にあってゴールデンウィークにはない』ってところね。さすがに短冊やこいのぼりはすぐ分かっちゃうから後回しにしたのよ。」
忠司が正解して嬉しそうなのり子と対照的に、不機嫌な雅樹。
「そんな単純な問題ッスか?のり子さんのことだからもっとひねったイジわるな問題だと思って勘ぐっちゃいましたよ。」
「あら悪かったわね、イジわるで。じゃあ次で最終問題よ?」
(だって小難しい問題になるほど、閃き力で勝る雅樹くんが有利ですもんね。八重島さんに勝たせるためには、極力問題をシンプルにしないと。さっすがアタシね!)
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