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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
8章 メンバー同士の対決②
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8章 負けられない戦い-8

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/11/4 13:00

 もう昼過ぎましたよとりあえず飯にしましょうよ、そう騒ぐ雅樹をよそにのり子は考える。

 「うーん、空港で奥様はピルケースを拾っているけれどその一瞬ですり替えたのかしら?でも無理よね、だって拾うところは防犯カメラで確認されているわけだし。家政婦さんは宿泊用の薬は用意しているけどピルケースには触っていないし…。浮気相手のさおりさんはいつでもすり替えることはできそうだし、信哉さんだって達也君を使えば…。」のり子が考えている横で、雅樹はさっさと勝負を決めようと忠司にヒントをせかす。

 「事件の証拠は何だったんでしょうか?やっぱり指紋とか?」そうだ、と忠司が首を縦に振る。

 「もう一つだけ、これで分かります。これは突発的な犯行ですか?」そうだ。と今度も首を縦に振る。「川島田は計画犯罪と言っていたが、これは事件当日犯人が咄嗟に思いついたものだ。まぁ飛行機内で死ぬよう薬をすり替えたわけだから、半分計画犯罪みたいなものだがな。」


 「そういうことですか。その指紋が誰のものかも、オレは想像つきましたよ!」自信満々な雅樹にえっと焦るのり子。いいですか?と雅樹に聞かれるも、まだ事件の真相にたどり着いていないのり子はうなずくしかない。


 「薬をすり替えた犯人は、息子の信哉さんだ。彼は証言の中で二つのウソをついている。一つは妻のさおりさんの浮気だ。母親も家政婦も気づいていて、さらに会社でも薄々噂になっているのに当の本人が全く知らないというのはちょっと苦しいと思いますよ?それに彼が証言した、『アラームより少し前に起きてトイレだけ行った』。少し前、というのは非常にあいまいな表現です。5分前でも10分前でも、アラームが鳴る前だ。それに孫の達也君が一夫さんの部屋へ行き、それを連れ戻しに妻さおりさんも一夫さんの部屋へ。節子さんはキッチンで朝ご飯の準備、つまり彼一人が完全フリーなんです。さらに彼は『アラームが鳴る前に起きてトイレに2~3分行っただけ』と言っているが、これはさおりさんの『6時35分頃、夫が後から部屋に戻ってきた』という証言と矛盾している。恐らく証拠はピルケースの"内側の指紋"でしょう。朝、アラームより少し早く起きた信哉さんは部屋にさおりさんも達也さんもいないことに気づく。そこで、旅行を利用し憎い父親を殺してやろうと閃いた。だが突発的な犯行だ、素手でやってしまったために指紋が残ってしまう。家の中で、それも寝起きに手袋をしている人なんてめったにいないでしょうからね。そして彼は証言通りの行動をする、しかし指紋を拭き取る暇がなかった。そのあと信哉さんはさおりさんや達也君と行動を共にしていたし、ずっとピルケースは一夫さんが持っていたわけですから。」


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