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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
7章 難しいお年頃
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番外編➤子供心-2

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/11/1 9:50 事務所

 「でもなんで子供の頃は平気だったのに、大人になると虫ダメになっちゃうんですかね?考えてみれば不思議ですよね。」

 「嫌いな野菜は大人になると食べられたりするけど、改めて言われると疑問よね。」

 雅樹とのり子が口々に言うと、それには忠司が回答する。


 「虫の話は今回の謎解きに通じるものがあって、人間は成長とともに価値観が変わりいろんな情報が手に入るのが原因だな。子供の頃は何も知らないから、虫も『お外にいる生き物だ』くらいにしか思わない。だが大人になるにつれて気持ち悪い・怖いといった価値観や、例えば蚊に刺されたら痒いなどのマイナスイメージが染みついていく。その結果嫌いになってしまうんだと思う。」

 そう言われればそうかもね、という反応の二人に忠司は続ける。

 「川島田のいう野菜のパターンは、人間の本能によるものらしい。人間は本来"苦い"や"辛い"といった味は『脳みそが毒だと判断する』ようになっている。だから子供の嫌いな野菜はピーマンやたまねぎなど、苦いものや辛い物が多い。しかし大人になるにつれて食べてもおいしい、毒じゃないと理解できて食べられるようになるんだな。もちろん例外的に子供の頃から好き嫌いせず食べられる子もいるが、幼少期に野菜嫌いなのは本能的なものだから無理に食べさせる必要はない。」

 そんな忠司に、雅樹は一つの疑問をぶつける。

 「じゃあ忠司さんは子供心をまだ忘れていないってことですか?虫退治の依頼をノリノリでこなせる人材なんてなかなかいないッスよ?」

 「うーん、みんながどうして怖がるのか分からないかもな。別に虫を触ったところで死ぬわけじゃないし、嫌なら小さい虫網でも買ってそれで捕まえればいいし。咄嗟にかーっとなって犯罪に走る人間のがよっぽど怖いけどな。」

 本心から虫系が平気そうな忠司に、のり子は無理無理と言いながら首を振る。

 「いや怖いとか怖くないとかそういう問題じゃないのよ、近づきたくないっていうか。生理的に無理っていうか…まぁ虫平気な人には分からないでしょうけど。それよりビラの"ゴキブリ退治でもおまかせください"って宣伝文句いい加減に消しましょうよ。」

 そう、宣伝ビラに大きな文字で書かれているためその手の依頼が後を絶たないのも事実だ。


 だがのり子の願いは忠司によって却下された。虫退治の依頼は事務所に来る依頼でもかなりの多さだし、これからの季節は外が寒くなるので虫も温かいところを探す=民家に入りやすくなり依頼が増えるのだ。いくらイヤでもメンバー二人が他の依頼に出ていれば自分が行くしかない、そのことを憂いハァーっと大きなため息をつくのり子であった。


※食べ物の話・虫嫌いになるメカニズムの話には諸説あります。その一つを忠司が語っているということです。

22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)

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