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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
7章 難しいお年頃
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番外編➤子供心-1

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/11/1 9:30 事務所

 月が替わったので、のり子は早速来所者名簿の更新する。

 「ハロウィンイベントって3人とも駆り出されるんスねー。まさか平日に3人とも事務所にいないこともあるなんて。」

 雅樹は事務所に所属してから初のハロウィンに駆り出されていた。ここはなんでも屋である、"仮装の人員が足りないから助けて"という依頼にも受け付けるのだ。

 「まぁアタシと八重島さんは去年も経験してるけど、今年は微妙だったわねー。アタシなんて着ぐるみよ?まだ日中は暖かいし、着ぐるみって思った以上に暑いのね。」

 のり子はダンサーの野外仮装イベントにヘルプへ行っていた。ただし踊るわけではなくマスコット人形になりすましてマイクをもち、演目や人物紹介と言ったほぼ司会の役だったが。

 「オレは半分だけのピエロって感じでした、子供にフーセン配ったりするやつです。」

 雅樹はデパートのハロウィンイベントで子供にサービスする陽気なピエロの役だった、ただし顔の半分は素顔でもう片方は厚塗りピエロといった具合。そのため好奇心旺盛な子供はキャッキャして近づいてきたり不思議そうに観察してくるのだが、一方臆病な子供は泣いたり逃げたりしてしまった。

 ちなみに忠司は某アメコミヒーローの全身タイツを着て、ヒーローショーの代打だった。主演がケガしてしまったために代打だ。当初恥ずかしがっていたものの、マスクで顔が隠れているためどうせわかりゃしないと大胆になり、ショーは大盛り上がりだった。もともと運動神経が良いのもあるのだが、子供たちが嬉々として握手を申し出てくるのは忠司としても悪い気はしなかった。


 「ところでなんで大人は子供心を、いつの間に忘れてしまうのだろうな?」

 ふと忠司が疑問を口にする。

 「そうよねー。この事務所にも、ゴキブリ退治や家に蜘蛛がいるから助けてという依頼が毎月あるだろ?でも考えてみれば子供の頃はコオロギだのトンボだの、素手で触っていたのにね。まぁアタシは絶対そういう系は行かないけど。」のり子もそういえば、という感じで同調する。

 「そうっすねー、セミの抜け殻とか子供の頃集めてたりしましたもんね。それが大人になると虫が不意に飛んだだけでビビッたり。忠司さんはそういう依頼平気そうですもんね、やっぱり慣れですか?」

 雅樹が聞くと忠司が答える。

 「いや虫は嫌いじゃないし、別に素手でも触れるぞ。手は洗えばいいしな」サラリと答えると二人はすごーいと軽くぱちぱち拍手した。若干バカにされている気がしないでもないが。



22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)

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