7章 難しいお年頃-9
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/10/23 7:40 西城宅
おはようと言いながらのり子がリビングへ行くと、もう愛里と真由は起きていた。のり子が昨日下ごしらえして冷蔵庫に入れておいたものも含め、調理して一足先に食べ始めていたというわけである。のり子は一応愛里ちゃんには断っておいた方がいいと考え、口を開いた。
「昨日ね、正俊さんからお願いされたんだけど…」
「お母さんのスマホのことですか?いいですよ、のり子さんなら。」
あっさりオッケーが出た。いいの?とのり子が聞くと愛里は少し笑い、なんだかのり子さんならお母さんもいいよって言うと思うからと言った。そしてパスワードが解けたらまず私たちに見せてねと約束した。
「何かヒントはないかしら?愛里ちゃんのお母さん、前は誕生日をパスワードにしていたらしいんだけど正俊さんはそれはダメだったって言ってたの。もちろん逆から入れてもね。」
愛里は少し考えたあと、さぁ…と答える。一応のり子は西城家の誕生日をメモすると、そこでお邪魔しましたと西城家を後にした。ホームキーパーは正俊が帰ってくるまでの約束だ、それに今はスマホのパスワードの方が気がかりだ。
のり子はコンビニに寄り道して自分の朝ご飯を購入すると、そのまま自宅に帰った。しかしどうにもパスワードは浮かばない。うかつな入力をすればロックがかかってしまう。のり子は一度パスワード解読を諦め、月曜日に事務所の二人にも相談しようと決めた。
2022/10/25 9:00 事務所
のり子の話を聞いた忠司は、それだけではなぁと首をひねった。そもそも一緒にいたご家族が解けなかったパスワードだ、赤の他人の俺たちが分かるのか?と懐疑的だ。雅樹は華美とのジョギングに付き合っているのだろう、まだ事務所には来ていなかった。まぁ雅樹くん来たら聞いてみるか、そう思ったときのり子はあー!と声をあげた。
どうした急に、という忠司になんでもないわよと取り繕うのり子。実は西城家の合鍵をまだ返していなかったのである。初日は愛里が一緒にドアを開けてくれたため使う機会がなく、そのままバタバタと買い物・家事・スマホの依頼などと立て込んだため忘れてしまったのだ。もう学校始まっちゃってるだろうし、夕方にでも愛里ちゃんにメールしよ…そう思うのり子だった。
※すみません、17時ころ下書きの状態で本文が中途半端な状態・タイトルが仮題のまま投稿されてしまいました。申し訳ございません。
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)、誤字脱字を修正
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