7章 難しいお年頃-6
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/10/22 23:00 西城宅
遅くまでなんか話し相手みたいになってもらって悪いわね、というのり子にいいんですよ明日休みだしと答える愛里。なおも川島田さんと呼ぶ愛里に対し、下の名前でいいわよとのり子は告げた。
「なんかのり子さんとお話ししてるの楽しいし。それに私、学校には友達もいるけど真由の迎えもあって放課後みんなと一緒に帰ったりとかしないから。」
まぁ間違っても愛里ちゃんは教室でキャーキャー黄色い声を出すタイプじゃないわね、とその話を聞きながらのり子は思う。
「そうだ、せっかくだからイマドキの女子中学生たちの間で何が流行してるか教えてほしいわ。アタシもまだまだ若い子たちについていかないとね。」
息巻くのり子の質問に戸惑いながら答える愛里。
「うーん、やっぱりSNSですかね。今は声だけで投稿できるラジオアプリとか、10秒くらいの短い動画なら気軽に撮れるからみんなやってますよ。フォロワー数って言って、定期的に見てくれる人数が分かるんですが人気な子はもう3000人以上いたりとか。のり子さんもしやってたらアカウント交換しましょうよ。」
愛里は自分のスマホの画面を見せながら説明する。
「それがアタシ、そういうのやってないのよね。前にアカウントだけは作ったんだけど、なんか何を投稿したらいいか分かんなかったし…でもせっかくだから再開してみようかしら。」
のり子も自分のスマホを取り出す。
「それがいいですよ、今時はファミレスなんかもSNSでキャンペーンの告知とかする時代ですから。あそうだ、のり子さんの事務所としてアカウント作ったらいいんじゃないですか?これからの時期ビラ配りも寒いでしょうし、URLとQRコード載せたらもっと依頼人も増えると思いますよ!」
ノリノリな愛里に押されるように事務所のSNSを作ったのり子。まぁ詳しいことは事務所で八重島さんにでも聞けばいいわね…。
愛里がのり子のスマホを手馴れた様子で捜査していき、それをしげしげと眺めるのり子。愛里ちゃん慣れてるのね~と感心していると、サブアカウントって言ってみんな2つ3つアカウント作るんですよと説明してくれた。"プライベート用"や"仕事用"や"趣味用"など、アカウントを分けて管理するとどの人とどの繋がりでというのが把握しやすくなるのだという。話しながら事務所用のアカウント作りはあっという間に終わった、放置されていたアカウントの画像やIDを一新してくれたのだ。
「はいできました。あとはこのアカウントのURLとQRコード作って、いつも配ってるっていうビラに載せたら完璧です。呟く内容は…まぁ依頼募集!とか働いてる人たちの一言コメントなんかでいいと思います。考えすぎず気軽にやるのが良いと思います。」
ありがとうと言いながら、興味のあることには結構積極的な子なのねとのり子は感じた。
愛里ちゃんのおかげで『事務所 H・M・O』のTwitterが始動いたしました。プロフィールにアカウントを乗せてあるのでご確認いただけたら幸いです。
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※小説内では10/22にアカウントを作ったことになっています。実際はこの投稿に合わせ11/1始動です。紛らわしくて申し訳ございません。
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)