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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
21章 来客
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21章 来客 -7

 業務終了後。

 「お疲れ様。よーし美羽ちゃん、この後空いてたら一緒にご飯行かない?」

 「別にいいですよ。」

 私は両親へ会社の人とご飯を食べてから帰るとメールしながら答える。雅樹先輩はブラインドを閉めたり空調を止めたりと店じまい中。ちなみにのり子先輩はカズヤさんの家から直帰、所長も今日は事務所に寄らないため鍵を閉めていくことになっている。

 「じゃあレッツゴー!」


 てっきり事務所の近くの定食屋かファミレスで簡単に済ますのかなと考えていたのだけど、私たちは電車を乗り継いで30分ほど移動した。都内の電車は帰宅ラッシュが過ぎても利用客が多いなと思う。わざわざこんなに移動しなきゃいけない店に連れていくなんて、有名な店か人気店?雅樹先輩は何度聞いてもいいからいいからとしか答えなかった。

 そして東京23区から少し出た某駅で降り、駅前の商業ビルへ向かう雅樹先輩とついていく私。初めて入るビルだが、どうやらここは地下がお食事処エリアとなっているらしい。エスカレーターを降りてすぐに寿司屋や中華料理屋といった暖簾が並び、行き交う人々で賑わっている。

 「おっいた!美羽ちゃん、実はゲストがいるんだよ。」

 言われなくても薄々分かっていた、だってこの人長身だから人混みでも頭ひとつピョコンと出ているので目立つのだ。

 「あ、さっきはどうも。雅樹さんから食事に誘われたので、出てきました。」

 雅樹先輩が言うゲストとはカズヤさんである。これはどう考えてものり子先輩とのことを聞き出す展開になるであろう。私の心配が顔に出ていたのか雅樹先輩は笑って耳打ちしてくる。

 「大丈夫、オレからの詮索はしないから。でもカズヤさんから聞かれる形なら、ただ質問されたことに答えただけって言い張れるだろ?」

 それってただの屁理屈なんじゃ…、そう思ったが黙っておいた。カズヤさんと雅樹先輩はあのあともやり取りを続けていたのか、今日が初対面のはずなのにもう私を放置して男同士で盛り上がっている。何よ無視してくれちゃってさ!ちょっと腹が立つ。そして案内されたのは洋食店だった。

 「オレ本当はステーキが食べたかったんだけどさ、前に女子を食事に誘うなら肉屋やステーキは事前に教えておかなきゃ駄目よってのり子さんに注意されたんだよね。」

 「さすがのり子先輩。」

 「えっそうなんですか?なんで?」

 「服に臭いがつくでしょ?だからデートのために張り切ってとっておきのおしゃれをした女子を、ステーキ屋なんかに連れて行ったら一発で好感度が急降下するわよって教えてもらったんです。」

 「なるほど、自分も覚えておきます。」

 そんな話をしながら窓際のテーブル席に案内された私達。私と雅樹先輩が並び、対面にカズヤさんが一人で座る形となった。

 カズヤさんがロースステーキを、私は白身魚のムニエルを、雅樹先輩はデラックスハンバーグとエビフライプレートを、各自ライスとスープセットで頼んだ。あれ、のり子先輩の話では雅樹先輩ってたしかダイエット中だったはずだけど?

 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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