6章 お昼をかけた戦い-4
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/10/10 11:30
やられた!という表情をする雅樹、どうやら同じような推理だったようである。うまく先手を取り思わず笑みが零れる忠司だが、勝利を確信するのはまだ早かった。
のり子「ブッブー、惜しい!だけどお手付きだから雅樹くんが回答するか、2~3回質問するまでお手付きです。」
そんな雅樹はのり子の惜しいという一言でピンと来たようで、質問タイム再開である。
雅樹「ジョディは車いすで移動はできるが遠出は許可されていない?」
のり子「良い質問ですね、彼女は治療の関係で病院の敷地から出ることができません。」
雅樹「もしかして、クリスティーヌは実はジョディのことを嫌い?」
のり子「確信に迫る質問です!実はクリスティーヌは彼氏についてあることないことうわさを流され困っていました。そして犯人がジョディだということを偶然事故の日に突き止めています。」
忠司がしまった…という表情を浮かべると同時に、雅樹が回答権を使うという。
のり子「じゃあこの1~3の答えも含めて回答してね。」
1.ジョディとクリスティーヌの関係は?
2.クリスティーヌのお見舞いの目的は?
3.ジョディはなぜ自害したか?
雅樹「1クリスティーヌとジョディは表向き親友に見えていた。だが実はジョディがクリスティーヌへの嫉妬からその彼氏について噂を流し、そのことをクリスティーヌは良く思っていなかった。2そしてクリスティーヌはジョディの自殺願望をくすぐってやろうという残酷な復讐方法を思いつく。スマホやお見舞いを駆使し常に『私は自由・あなたは不自由』という現実を突きつけ続けた。ジョディは病院から出られないのだから。3最初はお見舞いに感謝していたジョディもだんだん嫌になり、治る見込みもない絶望も相まって自害してしまった。クリスティーヌが直接手を下したわけではないため、あくまで親友の見舞客として自分の手は汚さずに復讐を遂げたんです。」
「ピンポーン!やるじゃない雅樹くん、所長の八重島さんを出し抜くなんて。こういう早押しクイズ的な問題は、ヒントが出そろわない内に回答するとお手付きになってしまうものなのよね。チンタラしててもライバルに先越されちゃうけど。まぁとにかく、八重島さんごちそうさまー♪」
と嬉しそうに言いながらお題の答えを書いた紙を忠司に見せた。雅樹も嬉しそうにリベンジ成功リベンジ成功と騒いでいる。忠司はやれやれ、という表情で少し悔しそうだ。
ちなみにお昼は雅樹が"ミックスピザLLサイズとポテト山盛りのセット"、のり子は某ビル食堂街の"スペシャルデトックスコース"を頼んだ。
忠司「アイツら、ここぞとばかりに高いの頼みやがったな…。」
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22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)
※忠司の推理も悪くはないが、今回の問題のポイントは『クリスティーヌが親友という仮面をかぶってジョディを精神的に追い詰め自害するよう仕向けた』ところ。そこが抜けてしまっていたから、残念ながら不正解。
※実は遠巻きにだが問題文にヒントがあった。クリスティーヌはバイトと授業で忙しく3週間も見舞いに来られなかったと言っていたが、仮にも親友の見舞いである。3週間もあればどこかで都合つかないの?と疑うことができ、そうすれば実はすぐ行きたくない何かがある?と気づけるかも。
その場合のり子に質問したらこう返って来ただろう。「良い質問です、クリスティーヌはすぐお見舞いに行きたい気分ではありませんでした。」➤ここから最後の雅樹の質問につながっていけたことになりますね。
※クリスティーヌ彼氏の情報、問題文に出てないじゃんというツッコミ来そうですが、そういう「隠された情報を質問であぶり出す」のもこのクイズの楽しみなのです。