20章 ウワサ話にご用心 -13
「皆さん、逮捕された犯人との面識は?」
「やーねーあるわけないでしょ!まさか私達を疑ってるの?さっきも言ったけど、私達は節子さんと定期的にお茶会してた仲だから、何回も警察に事情を聞かれてるのよ?」
「そうですわ。まさかわたくし達が犯人に情報を与えて、西野さんの家を襲わせたとでも思ってらっしゃるの?」
「いえ、念の為聞いただけですから。形式質問みたいなものです。」
そうよね、実際アタシはその線も疑っていたんだけど、そんなこと真っ先に警察が調べるわよね。
「皆様が改めて無関係だということが分かり安心しました。それで他にはなにか気づいたことなどはありますか?」
「そうねぇ。やっぱり西野さんの家って、噂通りのお金持ちだったんだって思ったわね。」
「それはなぜ?」
「だってそうでしょ?犯人、節子さんのこと殺した上に一千万円も持ち逃げしたんだから。」
「そうよね、わたくし達もさっき路上でそれを言っておりましたの。」
「わたしの家なんて入られても持っていかれるような物がないですから。そう考えたら犯人さんの嗅覚って鋭かったのねぇって。」
まぁそうよね、無いものは盗めないし。
「それにさ、年に何回か自宅で開いてる婚活パーティだっけ?あれだって参加者から参加費として1回ウン十万と取ってたらしいじゃないの。あたしびっくりしちゃった。」
「それでも西野さんって旦那さんがプロデューサーだから、芸能界とかアイドル方面にコネがあるんだもんね~それ目当てに高い金払って遠くからわざわざ来る人が絶えなかったみたいね。」
「そう考えると節子さんって商才あったのね。」
「絶対税金の申請とかしてないわよねあの参加費で集めたお金、表向きにはパーティの参加費は"お気持ちで"ってことにしていたみたいだし。」
「具体的な金額書かないところがイヤラシイですね。」
「やっぱりウワサ通りあの人、溜め込んでたんだぁ。でもそのせいでお金目当ての犯人に目つけられちゃったんだから自業自得よね。やっぱり悪いことってできないもんだわね~。」
そういえばニュースでも言っていたっけ、お茶会や婚活パーティの開催場所としてたまに自宅を開放しているって。
「ちなみに、その婚活パーティ絡みでのトラブルは?」
「そりゃあったわよ~。節子さんからしたら参加費を集められれば自分は儲かるわけだから、結構冷やかしの参加も多かったみたい。そういう子にはちょっとバイト代も払ってたってウワサよ。それでも駆け出しアイドルや芸能人の卵みたいなルックスのいい子が集まるから、やっぱり騙されちゃう人は後を絶たなかったみたいね。」
「もはや新手の詐欺よね。まぁ婚活パーティっていう形だったから、うまくカップリングしなくても当人同士の相性の問題ってことでごまかして来られたんでしょうけどね。」
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