6章 お昼をかけた戦い-3
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/10/10 11:15
のり子は問題の説明を終えると、じゃあ質問タイムよと言った。ここからは早押しクイズの要領で先に当てた方の勝ちである。
雅樹「二人は本当に親友ですか?」
のり子「はい、子供の頃から10年以上の付き合いがあります。」
雅樹「どのくらい仲が良かった?」
のり子「他の友人たちから見ても親友同士!と太鼓判を押されるほどでした。」
雅樹「そんなにジョディが悲観的だったということは、治る見込みはなかった?」
のり子「お医者様は、とても難しいとだけ言っていたようです。」
忠司「その事実を本人やクリスティーヌは知っていたか?」
のり子「お医者様は身内にしか話していませんでしたが、ジョディやクリスティーヌは看護師たちの反応から薄々分かってはいたようです。」
雅樹「ベッドの上から全く動けなかったんですか?」
のり子「いいえ、車いすに乗れば移動はできました。」
忠司「他の面会者が来て自殺教唆、なんて可能性は?」
のり子「いいえ、最近はクリスティーヌと身内の者しかお見舞いに来ていなかったようです。」
忠司「本当は他殺、もしくは事故死だった?」
のり子「いいえ。」
雅樹「本当に自分で死を選んだんですか?」
のり子「はい、現場の状況から警察がそう判断しました。誰もいない深夜の個室で、隠し持っていた薬を大量に飲んだことによる中毒症状で亡くなったようです。」
雅樹「薬を大量に持っていた?つまり前からジョディに自殺願望があった?」
のり子「良い質問ですね!入院当初から『治る見込みのない体ならいっそ…』と、思いつめた表情でつぶやくことがよくあったようです。」
忠司「二人の通っていた学校や職場になにかあるのか?」
のり子「関係ありません。」
忠司「ジョディはクリスティーヌのことをどう思っていた?」
のり子「お見舞いにも来てくれるし動画などで楽しませてくれて嬉しい、と言っていました。」
雅樹「ジョディかクリスティーヌに恋人はいましたか?」
のり子「良い質問です!クリスティーヌには彼氏がいました。ジョディは内心とても羨ましく思っていたようです。」
「悪いな雅樹、先に回答するよ。」
忠司がそういうと、続けてのり子が言う。
「八重島さん回答権ね、では次のキーワードを含めて回答をお願いします!」
1.ジョディとクリスティーヌの関係は?
2.クリスティーヌのお見舞いの目的は?
3.ジョディはなぜ自害したか?
忠司「1についてだが、クリスティーヌとジョディは親友だ。2そしてクリスティーヌはなるべく元気づけようと精いっぱい楽しませる努力をした。彼氏とでかけた動画なんかも見せたりしたのだろう。3だがジョディにとってはただの羨ましい映像、動けない自分はもう自由に歩いていろんなことを楽しむことはできない…そう悲観して死を選んだ。どうだ?」
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)
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