6章 お昼をかけた戦い-1
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/10/10 10:30
華美とのジョギングを終えた雅樹が出勤し、全員が事務所に揃った。のり子がやっと来たわね、と呟き受付席から立ち上がる。忠司は相変わらずパソコンでネットニュースを見ている。
「ねぇ二人とも、ちょっと早いけど今日のお昼は何食べましょうか?」
いつもは大体雅樹か忠司から提案するのだが、のり子から言い出すのは珍しい。やっぱり肉が、と返事をする前にそのことに気づいてすぐ発言を変更する雅樹。
「なんスか、のり子さんからお昼ご飯を言い出すなんて。もしかして何か企んでますね?」
雅樹に言われフフフ…と不敵にほほ笑むのり子。
「そうよ、例の星野姉妹ちゃんにおもしろいゲームを教えてもらったの。頭の体操ついでに、どう?謎解き依頼が来たっていう感じで、まぁイメージトレーニング的な感じね。今日はアタシが出題者で八重島さんと雅樹くんは回答者。負けた方は3人分のお昼代おごりってことで、どう?」
新しいゲームを手に入れた子供のようにテンションが高いのり子。そこに忠司がツッコミを入れる。
「それ、川島田はリスク無いじゃないか。」
そうだそうだ、と便乗して抗議する雅樹も一緒になだめにかかるのり子。
「だから『今日は』って言ったでしょ?また次回やるときは私が同じルールで回答者側になる、これでどう?」
まぁ確かにそれならいいか…とのり子の勢いに載せられ納得してしまう男性陣。
「オレと忠司さんの勝負ってことッスね!ヒントをもらえるってことはある意味"推理パズル"的な感じだから、オレの得意分野ッスね。日頃女性からの依頼を独り占めしている忠司さんにリベンジするチャンス来たれり!」
雅樹は一人で息巻いている。
「ヒントを得ながら推理を組み立てていくなら、こっちにも勝機ありだぞ。おもしろい、川島田のそのゲームやろうじゃないか。」
忠司もやる気だ。のり子はどっちが勝つかしら?と微笑を浮かべながら、出題した。その名も"ウミガメのスープゲーム"。
・出題者がお題を出すので、回答者はそこに質問していく。
・質問に対して出題者は「はい」「いいえ」「関係なし」の3択で答え、必要に応じてヒントも出していく。
・回答者は出されるヒントを元に、より早くお題を言い当てた人が勝ち。
・間違った回答をした場合はお手付きとなり、お手付きした人は相手が一度回答するか数回質問するまで何もできない。
「どう?星野姉妹ちゃん達は家族みんなでやったり、おばあちゃんが姉妹に出したりして盛り上がってるらしいの。アタシはそういう面白いって聞いたものは自分で実践してみたいからね。」
のり子が説明し終わる頃には、男性陣も乗り気になっていた。
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)
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