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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
19章 花火大会と恋の予感
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19章 花火大会と恋の予感 -13 男女の差

 のり子先輩は呆れている。どうやらもう雅樹先輩には検討が付いているらしい。ただ探偵でも警察でもない、元引きこもりなだけの私に分かるわけがない!

 「いや美羽ちゃんの推理はイイ線行ってるんだ。確かにレンという男性ではのり子さんと並んでここまで身長差は発生しない。そしてレンと4cmほどしか違わないユウヤも同じ理由で除外。これはオレがユウヤという男性とほぼ同じ身長だからよく分かる、オレがたとえ今この場でのり子さんに並んで立ってもこの写真ほどの差はでないだろうね。ということは合コンしていた男性の中でも身長の高い部類だったツバサかカズヤのどちらかだ、ということになる。」

 ふむふむなるほど。私は邪魔しないように黙って聞いている。

 「そしてここからが男女差のおもしろい所さ。いいかい美羽ちゃん、本当に好きな人ができるとね。男は周りの人にあの人が好きなんだとアピールし、女はその恋心を秘めるものなんだ。」

 「えっ?」

 「男は狩りの時代から獲物を取る係だった。つまり自分の獲物を周りのライバルに取られたくない、アイツは俺の獲物だから手を出すなとアピールする狙いがあるんだね。男の独占欲の象徴とも言われている。心理学ではバディンガム効果と言われ、恋愛上の牽制行動としてきちんと認知されているのさ。一方女は、昔から家を守り集団生活の中にうまく溶け込んできた。結婚なんてモロにそれを表しているだろう、嫁に行ったら赤の他人の家族に自分が溶け込まなきゃいけないからね。そして恋愛にもコレが現れる、つまり自分の恋心を無闇にひけらかすことは、周囲との余計なトラブルを招く可能性が生まれることを意味する。それを嫌うってわけさ。」

 「でも、修学旅行なんかで私は◯◯くんが好き!なんて会話はあるあるだと思いますけど…。」

 「その場合、大して好きじゃないことが多い。それに修学旅行に行くような年齢の学生では、恋心がなんとやらをまだ理解していないこともよくある話さ。本気でなければ例えば誰かと好きな人が被ってトラブルが起きそうになっても、"私は諦めるよ"などと言ってさっと身を引いてしまうことができる。美羽ちゃんにも、友達やクラスメートから誰が好き?と聞かれたときに人気のある男性教師や男子生徒の名前を、大して好きでもないのにとりあえず言っておいたなんて経験があるんじゃないかい?」

 た…たしかに。私は学生時代、恋なんてしたことなかった。そりゃかっこいいなと思う人はいたけれど、それは恋ではない。しかし周りの子が恋バナで盛り上がっている中、好きな人の一人もいないのはおかしいと思われるんじゃないか。そう思ってイケメンでスポーツ万能な上級生の名前をとりあえず言ってみたりしたものだ。


 「それがのり子さんにも当てはまるんだよ。のり子さん、あの合コン以来レン・ツバサ・ユウヤの名前は出すのに、カズヤって人の名前だけは言わなかったことにオレは気付いた。それはつまり本気でイイなと思っている相手だという証拠。オレらにバレないよう名前を出さなかったんでしょうが、裏目に出ましたね。」

 「全く、アンタってホント変なところで鋭いんだから。」

 え、えっ!?否定しないってことは、本気?えー!のり子先輩、カズヤさんとデートしていたの!?


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 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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