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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
合コンの女王
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番外編 合コンの女王 19

 それから数時間後、私がビラ巻き用チラシを準備しているとのり子先輩が帰ってきた。

 「ただいまー、暑いわね今日も。最高気温36度ですってよ!」

 のり子先輩はそう言いながら、クーラーの風が当たる席で扇子で自分を仰いでいる。流行りのハンディファンだと充電が必要になるために、彼女はいつでも使えて折り畳める扇子を持ち歩いているらしい。なんとなくのり子先輩に似合ってる。

 私はお疲れ様です、と言いながら少し冷えた程度のお水を彼女の前に出す。

 「ありがとう。」

 「それとのり子先輩、サンダルとバッグ貸していただいてありがとうございました。更衣室に置いておきました。私もバッグ買ったりコスメ買い揃えたりして、もっと女を磨かなきゃって思いました。」

 「あら、そう思えたのなら合コンに連れて行った甲斐があるというものね。」

 そこへ雅樹先輩が割り込んで来る。散々私が話して聞かせたのだけど、それでも私たちの合コンがどんなものだったのか気になるらしい。


 「男性陣はどうだった?オレよりカッコイイ人たくさんいた?」

 そんな質問に私はのり子先輩と顔を見合わせ、笑い合う。一人意味が分からず頭に疑問マークを浮かべる雅樹先輩。

 「そんなこと比べてどうするのよ?雅樹くんには雅樹くんなりの、良いところがたくさんあると思うわよ。まぁ少なくともアタシは無邪気にそういう質問を投げかけてくる男、嫌いじゃないけどね。」

 「なんですかそれ。じゃあ質問の仕方を変えましょう、美羽ちゃんとのり子さんはイイなと思う男性はいた?」

 私は正直に言うと自分は選べる立場にないと思っているのだが、それでも質問された以上は答えなければ失礼というもの。

 「うーん、私はやっぱりインドア派のレンさんかな。一番趣味があうから一緒にいて楽しそう。それに他の男性人はおしゃれメンズって感じで、もしお付き合いできてもメイクすらろくにできない私が引け目を感じてしまいそうだから。でも遅刻してきたカズヤさんもカッコイイなと思いました。」


 そんな私の話を聞き、ニヤリと笑うのり子先輩。

 「美羽ちゃん、まだまだねぇ。」

 「どうして?じゃあのり子先輩は誰か気になる人いました?」

 「アタシは全員よ、全員。」

 全員って、メンズ全員を等しく狙っていたってこと?


 「そうじゃないわ、なんていうのかしら?これは自分のキャラ作りみたいなものなの。良い?その場に恋愛対象がいるかいないかで、人間の装いや立ち回り方って変わるからね。なんとも思っていない人の前だと自分の仕草や言葉遣いも乱暴になりがちでしょう?だけど自分の中でこの人イイなと思う人の前でなら、無意識に丁寧な振る舞いをしようとするじゃない?だからアタシは合コン中、男性陣の全員を恋愛対象として見ていたわよ。」


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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