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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
合コンの女王
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番外編 合コンの女王 10

 言われていた通り大部屋の一室が区切られ、長テーブルが一つに両サイドへ椅子が4つ置かれていた。女性陣は奥側、窓を背にして奥からのり子先輩・私・アイさん・ミユさんの順に座った。男性陣はのり子先輩の正面にユウヤさん・私の正面にツバサさん・アイさんの前にレンさんという配置になった。飲み物はすぐに出してくれるよう事前に頼まれていたようで、私は烏龍茶をいただいた。最初に男性幹事のユウヤさんがビールを片手に立ち上がり音頭を取る。

 「俺が男側の幹事です、ちなみにツバサくんとレンくんはSNSで誘ったので実際合うのは初対面です!だから男同士はみんな緊張してまーす!ちなみに遅刻野郎は俺の友達なんで来たら罰ゲームさせまーす!」

 こういう人を盛り上げ上手というのだろう、みんなクスクス笑いちょっと緊張がほどけたように思う。続いてのり子先輩も立ち上がった。

 「女性側の幹事は彼氏ができて参加できなくなったので、アタシが代理です。皆さん楽しみましょう!カンパーーイ!」

 みんな当たり前のようにグラスやコップを持ってお互いに軽くぶつけ合う。そう、開始の音頭は乾杯で締めるため、私以外の人は音頭のときからさり気なく手を添えて準備していたのだ。私は慌てて烏龍茶のコップを持って皆と乾杯した。早速隣のアイさんが話しかけてくる。

 「ねぇあなたでしょ?さっきみんなで話してたのよ、すっごい若い子が一人いるねって!18歳なんだって?乾杯で慌てちゃうってことは、もしかしてこういう飲み会も初めて?」

 「は、はい!そうです…。」

 同性に話しかけられただけなのに、耳まで真っ赤になってしまう私を見て素早くのり子先輩が助けてくれる。

 「■あーこの子ね、年の離れたアタシの妹なのよ。恥ずかしがり屋さんでね、でも人生経験として合コンを経験させるために連れてきたの。ご覧の通り超緊張してるから、この子がうまく対応できないときはアタシに言ってね。」

 助けてもらった手前言いにくいのだけど、私はどうしても気になったのでのり子先輩に耳打ちする。

 「ちょっとのり子先輩、妹なんて嘘言って大丈夫なんですか?」

 「そっちの方が都合がいいのよ。特に男性陣は、姉がいると分かれば一番若くて不慣れなあなたにもヘタな手を打ちにくくなるわ。まず不慣れな人が変なヤツに狙われるからね、牽制の意味を込めて合コンの間はアタシの妹のフリをするのよ?あ、じゃあ皆さん自己紹介から始めましょうか♪」

 コース料理を予約しているようで、最初のサラダが来たあたりで自己紹介タイムが始めった。初対面の者同士が集まる合コンならではのイベントと言えばコレだろう。この自己紹介で上手に注目を集められるかどうかで、楽しい人かつまらない人かのジャッジを下されることもある。今日私にメイクをしながらのり子先輩が言っていたことだ。

 「言い出したアタシから時計回りでどうかしら?アタシはのり子って言います、年齢はアラサー。今日はこのシャイな妹の付き添いできました、みんなでおいしくご飯食べましょ。よろしく~。」

 ふーん、自己紹介って名字は言わなくて良いんだ。会社の名刺交換じゃないんだから当たり前か、でもそれなら私とのり子先輩が姉妹じゃないってこともバレないかも。美人でスタイルのいい彼女がスムーズに自己紹介をしたためか、みんな拍手した。私も慌てて拍手した。


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