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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 謎の女-40

 雅樹からの報告を聞いて、何やら考え出す忠司。そのまま窓際の方へいきどこかへ電話をかけ始めた。

 「あぁすみません警部、俺です。ちょっと今、調べていることがありまして…えぇ。いくつか資料をお借りしたいのですが…はい。ではこれから伺います。」

 電話先は彼の元上司みたいだな、と雅樹が思っていると戸締まりを頼むとだけ言い残して忠司は足早に去ってしまった。どうしたんだろうか?


 オレは店じまいならぬ事務所じまいをしながら、のり子さんへ電話でそのことを伝えてみた。

 『あの人には元刑事のコネがあるから、何かひらめいたのかしらね?ただアタシの勘だけど八重島さん、その事故の証拠をゲットしに行ったんだと思うわ。雅樹くんがあのホテルに行っている間、彼もいろいろ調べていたみたいだから。』

 えっ!証拠って…確か警部の元へ行ったよな?そこになにか保管されているのだろうか?


 『まぁ事故のことは彼に任せて、アタシ達は心霊現象の方を解決しましょう。アタシ実はミヤビさんに少し聞いたんだけど、ミヤビさん毎月のように都内に用事があって、そのときは必ずあのホテルに泊まるそうよ。やっぱり元恋人のことを未だ引きずっているようね。』

 「そうでしょうね。事故はもう警察の処理も終わっているのに、正式に依頼料払ってまでオレ達にお願いしてきたくらいですから。それにしても彼が言った、剛金を逮捕させるって一体…。」

 『いい?これはあくまでアタシの考えよ?』

 のり子はそこで大きく深呼吸するように一息つくと、意を決したように話し始めた。


 『ミヤビさんもしかして事故の真実を知っているんじゃないかしら。でも警察を再捜査の方に動かすための武器が無いのよ、彼にはね。その武器をアタシ達に作ってほしいのか、もしくは見つけてほしいってところかしらね。八重島さんが警察から受け取るだろう何らかの資料がその武器になればいいけど…。』

 「でもそれだけではまだ謎が残ります、幽霊騒ぎの件が解決しない。」

 『そうね。本物のオバケだったら、霊媒師さんでも呼んで除霊してもらわないとダメよね。』

 「うーんでも、オレが見たあの幽霊、なんか違和感があったんですよね。あのときオレが見た女の霊は、髪が長くて背も170cmくらいで、薄明かりでも分かるノースリーブの白のワンピースで。」


 『雅樹くん、あなたの感じているその違和感はとても重要な気がするわ。よーく思い出して、その幽霊を見たときのことを。』

 そんな事言われても、怖くて頭をすぐ引っ込めちゃったからなぁ。あの幽霊がオレの方に顔を向けようとしていたから、目を合わせたくなかったし…。いや待てよ?


 「そうだ!のり子さん、違和感の正体が分かりました。足ですよ、足!幽霊って実体がないはずなのに、あのときしっかり廊下に足がついていました。それにちゃんと女性が履く靴も履いていたのを、顔を引っ込める直前に見たんです!だからオレ、女だって思ったんです。」

 『そう…。雅樹くん、事務所にいるときはいつもアタシが近くにいるからね。』


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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