3章 小さな2人の依頼人-4
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/9/26 17:00
のり子が姉妹を送っている頃、男二人も知恵を絞っていた。雅樹が忠司に絡みながら言う。
「こういうのは大体、パソコンのキーボードなんかの"かな振り"を使ったりするんですよね~。1のキーにはぬ、プラスはれ、4はう…。ぬれう?なんじゃそりゃ。」
それを聞きながら忠司も答える。
「それは真っ先にそれは考えたよ、パソコンはいつも使っているしな。ただ並び替えてもなんの文字にもならない。足し算引き算した答えは上から538258となるが、これをかな振りに当てはめても"えあゆふえゆ"。でんぐり返しの部分を考慮して後ろから読んでも、アルファベットに直しても意味を成さない。英語を一緒に勉強していると言っていたから、その線も考えたんだが。」
「なぞなぞを考えたのが姉妹のおばあちゃんですもんね、まぁ一緒にパソコンを使ってるって話だったからイイ線言ってると思ったんですけど。それより忠司さん、早く飯行きましょうよ飯!オレ腹減っちゃって。」
さっき食べたお菓子ではやはり足りなかったのか、だだをこね出す雅樹である。
「元はと言えば、お前が高島田の出したお菓子を頬張るからこういうことになったんだぞ。」
「それは建前ですよね?小学生姉妹のお願いなら、恐らく川島田さんか忠司さんが気前よく引き受けてた気がしますよ?オレの腹がすきまくってたのは事実ッスけどね。早くラーメン行きましょうよ、もう焼肉行っちゃいます?」
もう食べ物のことしか頭にない雅樹であるがしかし一応考えてはいるようだ。
「ただ小学生に出す程度のなぞなぞって考えると、意外と小難しい考え方じゃないのかもしれませんね。ほら幼稚園のお受験問題なんかも大人は理屈で考えて間違えるけど、パッと見で答える子供は正解したりしますもんね。」
「おそらくだが、足し算引き算のところは特にひねりは無いような気もするな。ただその横の記号が気になるが、答えを矢印の順に並べるとか?いやそれだと○はどうする?下向きの矢印がないのも気になるな…。」
一人ボソボソ言いながら、それでも真面目になぞなぞと向き合う忠司。一方の雅樹はもうなぞなぞ用紙は投げ出してしまい、何を食べに行こうかと頭を巡らせている。こういうところで性格の違いがハッキリ出るものである。
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)
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