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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 謎の女-38

 翌日 15:00


 約束の時間通りミヤビは現れた。今日は忠司がマダムのパーソナルトレーニングを行う日で夜まで出かけているためにのり子と雅樹二人でお出迎えだ。今回は雅樹が案内し、のり子がお茶を淹れる。

 忠司の『依頼人の肉声が聞きたい』という希望のもと、ボイスレコーダーを使っての録音も承諾をもらいいつもの来客用ソファで対応する。

 のり子は初対面なのでお茶を出しながら自己紹介すると、ミヤビは照れながらしどろもどろになってしまう。本人の言っていた通りやはり女性の前では緊張してしまうようだ。依頼人が話しづらいのでは本末転倒である、のり子は仕方なく自分の飲み物を持っていつも忠司が座っているパソコンの方へ移動した。


 彼女がいたと思えないくらいシャイなんですね、とのり子がなじるとミヤビは以前恥ずかしそうにうつむきながら答えた。

 「最初はオンラインゲームで知り合いました。今時のゲームってインターネットを使ってカメラを繋いだりボイスチャットで会話しながら一緒に遊べるんですよ、彼女ともそれで仲良くなって。出会ったのはもう8年前、彼女が18のときでした。僕がその頃ゲーム実況者兼プロゲーマーとして本格的に活動を始めたんです。放送開始からよく遊びに来てくれる子で、好きなゲームやアニメのジャンルが一緒だったのですぐ意気投合しました。ですが僕の方はどうしても直接女性と会う勇気が出なくて、毎年ジャパングランドホテルで行われるゲームイベントで直接顔を合わせたのが2年前…。ファッションもダサダサな上に終始顔が真っ赤になっていた僕をかわいいと言ってくれて交際が始まりました。30歳にして初めてできた彼女でした。」

 そう言いながらミヤビは自分のスマホを取り出しカレンと一緒に写ったいくつかの写真を見せた。千葉県のテーマパークや横浜の夜景など、どれもデートスポットで撮られておりどうやら交際していたのは事実のようである。

 「去年彼女が亡くなったあの日、僕たちの交際1年記念日でした。だから僕は彼女の無念を晴らすまで絶対諦めない、いや…諦められない。なんとしても、アイツを…。」

 写真を見ながら独り言のように呟くミヤビ。スマホを持つ手にかなり力が入っていることが少し離れた位置に座っているのり子から見ても分かるほどで、声も震えている。


 それでミヤビさんのご依頼とは?と雅樹が話を促すと、ミヤビはスマホをポケットへ入れてから答えた。

 「単刀直入にお願いします、あのゲームイベント宣伝・広報担当の銀持剛金を警察に逮捕させてほしいのです。」


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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