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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 謎の女-26

 そういえばこの階だっけ、亡くなった女性が宿泊していた部屋って。雅樹はそう思いジッと耳を済ましてみるが、廊下は恐ろしいほど静かである。正確には自動販売機が待機している音やエレベータが上下する音は聞こえるのだが、それら以外の音が全くと言っていいほど聞こえないのはなんだが不気味な感じだ。日中ポイントバトルで一般客や関係者でごった返していたホテルとは思えず、間違って違うホテルに来てしまったのではないか。そんな気さえした。


 各階の廊下のメイン照明も23時に消灯し、その後は朝6時まで移動に差し支えない程度の微灯しか点かないらしい。とはいえ風呂やトイレは各部屋に備えられているため、そんな遅い時間にホテル内をうろつく必要もないのだが。


 雅樹は自室に戻ると、早速風呂に入った。トイレと風呂は一緒の個室だが広々としておりカーテンで浴槽側とトイレ側をシャットアウトできるタイプ。ユニットバス式なので体を洗ってから湯を張らないといけないものの十分足を伸ばせる広さがあり、洗面所にはご丁寧に入浴剤の準備までされていた。シングル用の部屋でもそこそこの広さとこの待遇しかも東京都内のホテルである。明日帰るときにそこそこ良いお値段を請求されそうな気がして雅樹はちょっと気が引けたが、どうせ金を払うなら思う存分満喫しようと思い直してしっかり楽しんでから帰ることにした。




 …。


 … …。


 … … ボチャンッ!


 雅樹はハッと顔を上げた、どうやら入浴ライフが快適すぎてちょっと居眠りしてしまったようだ。浴室に持ち込んでいたスマホを見るともう時刻は23時を過ぎており、浴槽のお湯もさすがにぬるくなりだしている。

 風邪を引かないよう慌てて体を拭きドライヤーで髪の毛を乾かすと、備えてあるバスローブを身につけ、歯磨きをした。


 明日のポイントバトルのこともあるし早く寝たいが、ベッドに横になっても全然眠くない。今さっきまで1時間ほど寝ていたので仕方ないところだが、どうしたものか。

 さらに長時間の入浴で思ったより汗をかいたのだろう、雅樹はひどく喉が乾いていることに気づいた。部屋に備えられている小さな冷蔵庫をあけてみるがもちろん空っぽだ。


 うーん、確か夜にホテルの廊下を女の霊がうろついてるとかのり子さん言ってたような…嫌だなぁ。でも水道水よりミネラルウォーターが飲みたいし。

 少し悩んだ雅樹は、意を決して財布とルームキーを持ち自販機を利用することにした。幸い雅樹の部屋はエレベータの横、つまりユニークスペースは部屋の斜め向かいにあるのだ。すぐに買って部屋に飛び込めばいいやと軽い気持ちで部屋を出た。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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