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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 謎の女-18

 リンからの出題はこれも良くあるシチュエーションで恋愛相談に乗ってほしいというものだった。


 ●実はね、これはウチの友達A子の話なんだけど。そのA子には付き合ってもう2年になる彼氏がいるんだけどその彼氏が結婚してたんだって!単身赴任中で奥さんのところには年末年始とお盆くらいしか帰らないからバレる心配もないし、だからこそA子も既婚男だって気づかなったみたいなんだけど。

 だけどA子は彼氏のこと本気で好きみたいだし、別れるからって言葉を信じてるみたいで。明日A子と遊ぶことになっているんだけど、ウチなんて言ってあげたらいいのかな?A子の力になれないかな?

 なぁ、どう思う?

 ≪ あなたの回答を 入力してください ≫


 さすが最高難易度、選択肢ではなく直接入力する方式のようだ。選択肢ならあべこべに答えても運が良ければ正解するがこの解答方法だとピンポイントで答えをあてに行かなければならない。


 時間経過による減点と好感度を頭の中でてんびんにかけた雅樹だが、好感度の減少はどのくらいポイントを差し引かれるかわからない。それに何人かに先行されているとはいえ、大半のライバルプレイヤーはまだ☆4以下のステージでありつまり雅樹はかなり先行している方の部類だ。だから時間経過の減算があったとしてもわずかだろう。素早くそこまで計算しまた画面の写真を撮ってのり子に送信する。


 だが今度は先ほどまでのようにすぐ答えが返ってくることはなかった。トイレにでも行ったのか、問題の答えに頭を悩ませているのか。いやそもそも今日は平日で事務所は開業しているから、タイミング悪く飛び込みの依頼人でも来てしまったか。雅樹は5分待っても返信が来なかったら自力で入力しようと思い構えることにした。


 そしてそろそろ5分経とうか、という頃にのり子からようやく返信が来た。

 『それがゲームで良かったわね。』

 その一言しか書いていなかった。


 ???

 「どういう意味ですか?ちょっとのり子さん!このゲームも早くクリアした方がポイント貰えるんですから、イジワルしないで教えてくださいよ。」

 『別にいやがらせしてるわけじゃないわ、現実問題だったら立派な不倫案件よこれは。特に男の方から結婚してると聞かされたあとも交際を続けているんだからなおさら。まぁゲームだからいいけど。それで要件はなんだったのかしら?』

 「だーかーら、友達が不倫してる場合どうアドバイスするかですよ!」


 また少し返信に間が空くのり子、不貞行為問題なので慎重になるのも致し方ないことではあるが。

 『答えは"話を聞くだけで余計なアドバイスはするな"、これかしらね。不倫をやめろと言ったところでやめる気はないから付き合い続けているわけだし、どんな道を選ぼうが本人の責任だもの。だったら手出しするだけ無駄だし下手なアドバイスしようものなら今度は自分に火の粉が降りかかるだけよ。』

 「のり子さんって結構冷たいんですね。」

 『失礼ね、現実問題として当たり前のことを言ってるだけでしょ。それにもし本当にそのお友達の不倫を止めたいなら…って制限時間があるんでしょ?さっさと入力しちゃいなさいよ。』


 そうだった、話を脱線させている場合ではない。雅樹は我に返るとのり子のアドバイス通り"聞き役に徹してアドバイスはしないこと"と入力した。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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