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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 謎の女-5

 迷宮宝探しというタイトル通り、どうやらここは巨大な迷路のようだ。その外周部分に雅樹は立っており、目の前が入口のようである。冷たいコンクリートのような一面グレー色の床と壁となっており、しかも壁の高さはおよそ5mほどもある。この高さではよじ登って全体を見るという、いわゆる"ズル行為"はできないだろう。ここにモンスターもうろついてるのか…興奮と恐怖が同時に雅樹を襲う。

 入口にはなにやら英語?のような文字が書かれているが、ほぼ読めないほど風化してしまっている。でもこの文字、どこかで見たような…。

 躊躇していると、頭の中に声が流れ来る。

 「このまま進み入口に入るとゲームスタートです、タイムリミットになるかクリア条件を満たすまで戻ることはできません。現実世界に戻る場合はコントローラーを床に置いてください、ただし今日は再参加できずポイントの獲得もできません。」

 雅樹は一つだけ疑問に思っていたことを頭の中に思い浮かべた、モンスターにやられたらどうなるのかということだ。

 またしても頭の中に声が流れ込んでくる。

 「モンスターに攻撃されたりトラップに引っかかったりしても物理的な痛覚はありませんが、コントローラーに表示された体力が減ります。そしてHPが0になると調査続行不可能となり、制限時間を15分消費し入手したアイテムを半分失った状態でスタート地点に戻ります。また冒険中にコントローラーが体から離れた時点でもダウン扱いになりますから、特に武器やアイテムを使用する際やモンスターと戦闘する場合などは気を付けてください。」


 説明を聞き終わる頃、どこからともなくウワァー!という男の悲鳴とドシンドシンという重低音が聞こえてくる。誰かが魔物に襲われているのだろうか…ただし景色が無機質な上に壁が高すぎてその声と足音らしき音がどこから聞こえるかまでは分からない。

 少し考えた雅樹だったが、せっかくゲームの主人公の気持ちを味わえるんだ!とポジティブに捉えることにし、迷宮へ足を踏み入れた。その瞬間、今入ってきたはずの背後の隙間は音もなくコンクリートの壁で塞がれてしまった。


 とりあえず慎重に行きたいが、しかし無機質な壁が続いている。これでは自分がどこをどう歩いてきたのか分からなくなってしまう…。マッピング機能かメモ用紙はないかな?と雅樹が頭の中で考えるとまた謎の声が聞こえて来た。

 「バーチャル空間ですから、ある程度は想像で補うことが許されています。もちろん度の超えたものはゲーム管理者側ではじかれますが。」


 それでは、と雅樹が思い浮かべたのはペン型の油性マジック。これを使って壁に今歩いてきた道をマーキングすることで後からどんなルートを通ったか分かるようにすることができる。

 さらに雅樹はIDカードなどを首から下げるネックストラップも具現化し、コントローラーに装着し首から下げた。これで不意にコントローラーから手を放してもとりあえずは安心だ。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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