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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
16章 謎の女
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16章 序章

 1月某日 午前9時 事務所


 「おっはよーございます!そしてあけましておめでとうございます。」

 のり子と忠司がいる事務所に雅樹が出勤してきた。今日は年明け第一営業日だが、街はまだ正月の雰囲気が漂っている。テレビもまだまだお正月特番が続いている。

 あけましておめでとう、と2人が返しそのままのり子が話を続ける。

 「どうしたのよ雅樹くん、やたら元気ね?初詣のおみくじで大吉でも出たのかしら?」

 「違いますよ。依頼を受けたんです、依頼を!ジョギング仲間の華美チヒロから直々に!」

 もしかしてかなり前にダイエット協力依頼を受けた華美チヒロさん?とのり子が言うとそうですと言いソファーのところにドカッと座る雅樹。自然とのり子と忠司がテーブルを挟んで反対側に座る。


 「で、どんな依頼なんだ?」

 「ずばり、"レンタル友達"です!」

 説明しよう!その名の通りレンタル友達とは、お金を払って1日~数日お友達になってもらうサービスである。レンタル彼女やレンタル彼氏と一緒で、例えばテーマパークに一人で行きにくいとか一人で外食ができない…そんな恥ずかしがり屋な人が主な利用層である。

 実際過去に忠司もレンタル彼氏のような依頼を受けており、いわばその"友達版"である。


 「レンタルも何も、あなた達一緒にジョギングしてるんだからお友達でしょ?」

 のり子がツッコむが、雅樹は首をぶんぶん振って否定する。

 「今回はちゃんとお仕事として受けてきました。丸1日で6000円!」

 「1日6000円って…ちょっと少なくない?もうちょっともらってもバチ当たらないと思うけど。」

 呆れるのり子に対し、今度は忠司が質問する。

 「で、どんな依頼なんだ?ただお友達ごっこするわけじゃないんだろ?」

 「もちろん、オレ達一緒にゲームしに行くんです。」

 はぁ?と忠司とのり子の頭にハテナマークがたくさん浮かぶ。


 雅樹によると、新年の新作ゲーム発表会というゲーム好きにはたまらない毎年恒例一大イベントが成人の日の翌日から開催されるのだという。場所は都内の"ジャパングランドホテル"を2日間貸し切るという太っ腹なイベントだ。華美一人では恥ずかしいのだろう、雅樹に着いてきてくれという依頼であった。

 「別にそのくらいプライベートで…あ!」

 言いかけて何かに気づいたのり子。

 「そう、成人の日の翌日なので平日なんです。だから仕事として受けて堂々と行ってこようってことです!安いとは言えお金ももらうんだし、いいでしょ?オレ行ってきても!」

 キラキラした少年のような目で訴える雅樹に、まぁいいだろうと許可を出す忠司。依頼として受けてしまった以上行かないわけにはいかないし、忠司やのり子にふられても二人はゲームのことなんてさっぱりだ。

 雅樹はそこまで計算して依頼として受けてきたのである。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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