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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
15章 特殊詐欺の行く末
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15章 特殊詐欺の行く末-関係者たちのその後

 ・お手伝いの多見はその後、世話をする相手がいないからと辞めた。ただし次の家政婦の派遣先が偶然か否か田中家から300mほどの距離であり、今でも風磨と連絡を取り合い彼が家にいるときはお線香を上げに行っている。(設定上田中家は高級住宅街の一角)

 また多見は利志子の墓参りにも定期的に行っている。理由は「あたたかい気持ちになれるから」だそうで、田中家からはもちろん歓迎されている。



 ・風磨の父である田中周はその後会社に申し出て、実家のエリアにある支店に異動しおばあさんのいなくなった実家に戻ってきた。毎朝お線香を仏壇に供えるのを忘れないそうで、(彼から見れば)お母さんに見張られている気がするのだそうだ。もちろん同僚などから夜の街に繰り出そうと誘われても絶対断るのだという。



 ・風磨の母の田中淳子はおばあさんの一件から急に丸くなり、口調も優しくなった。今までは動物嫌いで有名だった彼女が、なんと犬を散歩している人を見ると話しかけて構うようになった。例の一件で人に優しくすることの大切さを痛感するようになったのかもしれないが、ていねいな言葉遣いになれておらずときどき周囲の人に笑われては顔を真っ赤にしている。



 ・風磨の例のソロ作品は大ヒット、重河はいなくなったが代わりに後輩が付いた。その後輩の名前が茂野(しげの)だったことでユニット名もTANA・SIGEのまま、新たなファンを獲得しつつ活躍の場を広げている。トークショーなどでおばあちゃんとのエピソードを必ず一つは披露することから、おばあちゃんっ子キャラという新たなポジションの開拓も成功したらしい。



 ・一方、詐欺で得た金と知らなかったとは言え私腹を肥やしていた重河家。当然重河からの仕送りがゼロになったことにより妹は音大を続けられず中退。またどこから噂が出回ったのか犯罪者一家と罵られ、今はどこか遠くへ家族で引っ越し残された家も買い手が付かず空き家のままだという。



 ・重河本人は詐欺の示唆を始め個人情報保護法違反や横領など他の罪が認められ、さらに未だ複数の余罪ありと見られ厳しい取り調べが続いている。事務所も表向きは『無期限休養』としているが、ほとぼりが冷めた頃ひっそりホームページで引退発表をする手はずとなっており実質クビである。



 ・大沢は司法取引をしたことで減刑され、当初の態度からは意外なほど真面目に自分の刑期に向き合っている。実は大沢が受刑中に大ケガをしてしまったのだが、そのとき医務室の女医と仲良くなったのだ。今まで女性を"遊ぶ対象"としか見てこなかった大沢は始めて自分を献身的に治療してくれた彼女にほれ込みプロポーズ。だが彼女がそれを受ける条件として出したのは「刑期を終えるまで、いや終えてからも真面目に生きること」。

 その後の大沢は善人の魂が乗り移ったんじゃないか、と刑務官たちから噂されるほどの模倣犯ぶりを見せている。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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