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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
2章 行き過ぎた好意は困りもの
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番外編➤川島田のり子の過去 1

※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

※推理パートと直接は関係ありません。

 2022/9/22 PM7時30分。


 のり子が帰った後、事務所で男二人で分担し白川の件を資料整理・請求精算の打ち込みなどがようやく終わりに差し掛かったころ。雅樹が口を開いた。

 「のり子さんってなんか"強い女"って感じですよね。忠司さんはどうですかのり子さんみたいな女性は。俺は白川さんみたいな、やっぱ清純系が好きかな~この前怒ったときは迫力あったけど。」

 そう聞かれて忠司は雅樹に返答する。

 「自分の考えというかスタンスをしっかり持ってる女って感じだな、川島田は。」

 パソコンへの入力は相変わらず忠司の担当だ。打ち込みする手は休めず続ける。

 「ただやはり女性目線で、しかもハッキリ物申す!という感じなのは助かるな。企業の会議なんかでも、意見を言わず黙ってるやつが一番無駄というし。」

 雅樹もそこは納得というようにうなずきながら、自分の意見も口にする。

 「でものり子さん、木とかなぎ倒しそうじゃないですか?ほら漫画なんかでよく女性キャラがバーンって電柱フッ飛ばすシーンあるじゃないですか。のり子さんやりかねないですよね」

 雅樹が軽口を叩くと、忠司も慣れっこだという風に冗談で返す。

 「本人が聞いてたらブッ飛ばされるぞ、盗聴器とかないか探しておけ。」

 二人がケタケタ笑う声が事務所内に響く。


 「でも人のことに首突っ込むの大好きですよね、のり子さん。今回の件だって、忠司さんへの依頼なのに『私たちも合コン追跡するわよ!』なんて張り切ってたし。まぁ俺も白川さんのことが気になったからホイホイ乗っちゃったんスけどね。」

 雅樹が言うと、忠司は少し声のトーンを落とす。

 「川島田は雅樹の先輩だよな。年齢的にも、事務所に入った時期的にも。」

 「そうっすよ!なんですか忠司さん、なんか知ってるんですか?まさかのり子さんと付き合ってるとか!」

 茶化すように雅樹が言うと、忠司は首を振って静かに答える。


 「川島田が人のことにも夢中になってしまうのは、"ある事件"がきっかけなんだよ。川島田はその影をなるべく見せまいと、ああして強く振舞っているんだと思う。」

 「なんスか、ある事件って?」

 当然のように雅樹は聞き返す。

 「さぁな、川島田本人の口から雅樹に言いたくなった時に言うんじゃないか?それに無理に聞こうとしても川島田ならビンタしそうだしな。」

 冗談半分に忠司は返すが、雅樹は納得できない。

 「なんですかその思わせぶりな感じは!いいですよーどうせ俺は最年少で頼りないですよー。」

 ふてくされる雅樹をなだめるのも、忠司の役割だ。

 「スネるなよ、この前のアパート絞殺事件だって雅樹が見事解決したじゃないか。バラバラパズルをパパッと組み立てるように推理できるところは、正直感心してるんだぜ。」

 へいへい、と返事しながらまんざらでもない雅樹である。


 でものり子さんの過去ってなんだろうか?決定的な"のり子自身の情報"というピースがないため、いくら考えても何も浮かばない雅樹に、忠司が帰るぞーと声をかけたのだった。


22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後に改行)

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