2章 行き過ぎた好意は困りもの-5
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2022/9/16 18:15新宿駅南口。
やっぱりオレが行きましょうか?としつこい雅樹を仕事だからとあしらい、新宿駅の南口に来た忠司。恋人のフリということで依頼者の白川ゆりを待つ。
お待たせしましたーと言い小走りに近づいてくる白川。話題がチグハグになっても怪しまれないように、知り合いの紹介で付き合って間もないという設定にしてある。そのため手をつないだりはせず、合コン会場の店を目指す。白川によると、居酒屋なのにおしゃれな内装と個室多めな設計で女性を中心に人気のお店なのだという。帰宅時間&夕食や飲みに出る時間ということで、駅周辺はさすがの人混みである。忠司は白川にはぐれないようついていくのだった。
そんな二人の男女の後を、別の男女ペアが追っていた。
「アタシ達が黙って引き下がるわけないわよねー?そういう方面に疎い八重島さんのサポートとして、ちゃんと陰から見守ってあげなくちゃね。同じ事務所のメンバーとして!」
「いや忠司さんのことだから多分バレてると思いますけど。くっそー本当だったらあの白川さんの隣はオレが歩いてるハズなのにー!」
「はいはい、それはもう良いから行くわよ。」
18:20。集合の10分前に店前に忠司と白川の偽装カップルが到着すると、すでに他のメンバーは来ていた。軽く皆で自己紹介し合いながら、さりげなく町出を警戒する忠司。しかし初対面の印象では爽やかな好青年という印象だ。
「お、白川さんも来てたんですねー!お隣のイケメンさんは彼氏ですか?」
町出が白川に質問すると、白川は目線を地面に落としながらそんなところですと答える。
「ここ私の知り合いのお店でね。3対3のところ、先週4対4に予約変更したから料理の内容を一部豪華にしたって!楽しみね~。ささ、レディーファーストで女子から先に入ってね~。」
恐らく幹事だろう女性がそう言い、皆を連れて入っていった。
遠くから見ていた雅樹がまだ残念そうにつぶやく。
「いいなぁ4対4。しかも女性陣は証券会社のメンバーでしょ?みんなかわいかったし綺麗だったなー、なんでこういう依頼は忠司さんばっかりなんだよクソー!」
「男連中もなかなかだったわね、特にあの町出って人。八重島さんだって180cmくらい身長あるのに、それより少し高かったわよね。あんだけ高身長なイケメンにアピールされるならアタシだったら悪い気しないわね。」
のり子もちゃっかり男性陣を品定めしている。
「まぁ人にはタイプってもんがありますからね、じゃあのり子さん。オレらもそろそろ入りましょうか。なるべく近くの席に陣取りましょう。」
のり子と雅樹のペアも、同じ店に入っていった。
22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後を改行)
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