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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
2章 行き過ぎた好意は困りもの
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2章 行き過ぎた好意は困りもの-4

※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/9/7 PM18時。

 「では一度状況を整理するから、2人も来てくれ。」

 忠司がそう声をかけると、対照的なテンションの二人が寄ってくる。相変わらず男女絡みの依頼が"ルックスの良い忠司"に集中することに不貞腐れる雅樹に対し、恋バナ恋愛トーク大好物なのり子はノリノリである。どうせオレはモテませんよどうせオレは蚊帳の外ですよ、ぶつぶつ文句を垂れる雅樹を無視してのり子が始める。

 「依頼人は白川ゆりさん25歳女性、証券会社に勤めているわ。夏のボーナスを資産運用したいと2か月前証券サービスの契約に来た町出啓介24歳にしつこくアピールされていて困っていると。そこで八重島さんに彼氏のフリをしてもらって諦めさせてほしいということよ。」

 「人手が少なくて担当変更も会社に言いづらく、ここに依頼に来たみたいだな。多いときは週4回も会いに来るとか。さっき詳しく聞いたが合コンは4対4で店も予約済みだという。白川さんの同僚が立てた合コンらしく、どうしても参加してくれということで断れなかったそうだ。恐らく町出さん側がそう言ったんだと思う、と本人が言っていた。」

 忠司がそこまで言うと、雅樹が横やりを入れる。

 「合コン行かなくても、その町出って男は白川さんの会社に来るんですよね?だったら待ち伏せでもしてその男に直接聞いたらいいんじゃないですかー。」

 相変わらず不貞腐れている雅樹に忠司がクギを刺す。

 「俺たちは探偵じゃないからな、それに余計なことして逆上されて白川さんに危害を加えられたりしても困るだろう。」

 のり子もそうそう、と頷いている。ヘイヘイすいませんねと全くやる気のない雅樹、よほど悔しいらしい。

 「自分が合コン行けないからって不貞腐れないの、アタシだって行きたいくらいなのに。女性参加者足りなかったらプライベートとして行くからって白川さんには言っておいたけど♪」

 「川島田、楽しんでないか?とにかく今回の件も依頼情報は共有していくから、サポートの方よろしく頼む。」


 「それにしても雅樹くん、合コンいけないくらいでそんなに悔しがる?まさかあの白川さんみたいな人がタイプなの?ザ・清楚系だもんね~。」

 のり子がからかうと雅樹は顔を真っ赤にして反論する。

 「な!違いますよ、合コンに行きたいだけです。嫉妬じゃありません!」

 どうやら図星だ。

 「それに白川さんだって本当はオレのことがタイプで、でも照れ隠しに忠司さんに依頼したのかもしれないじゃないッスか!自分が好きかもと思ってたら、相手の方が好きだったパターン、あると思います。」

 雅樹はもうヤケクソである。

 「あのね、白川さんとは初対面なんだから照れ隠しも何もないでしょ。あーあー、合コンの女性足りないから来てくださいって依頼ないかしら?依頼料無しで行くのになー。」

 のり子も調子の良いことばかり言っている。合コンと言っても仕事だし知らない者同士で飲み会して何が楽しいのか、忠司はそんな二人の様子を飽きれながら一瞥し、引っ越し依頼の精算をパソコンで入力し出した。


22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後を改行)

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