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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
14章 生放送中の殺人事件
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14章 生配信中の殺人事件-14

 (クッソー。余裕たっぷりなあの"女優歩き"、見ていて腹立つな。あ、そうだ。)

 「オレ思っちゃったんですけど、本当はのり子さん分かってないんじゃないんですかー?」

 コーヒーをじっくりドリップしながら、雅樹のことを一瞥するのり子。言いたいことがあるならお先にどうぞと言わんばかりの態度である。

 「だってのり子さんの性格的に、分かったら我先にと言いそうなモンですけどね?ね、忠司さんもそう思いません?」

 「どうかな…。川島田のあの態度からするに、ほぼ答えを掴んでいると思うぞ。」


 「カマかけようったってダメよ?アタシはまだ確証が持てないからヘンな事言いたくないだけ。だけどこの事件の説明を2人から聞いたときに直感したのよ、殺害トリックもカメラの謎もこれなら説明がつくって妙案がね。」

 来客用ソファーに座りながら、ひざ掛け代わりにさっきのバスタオルをかけるのり子。優雅にコーヒーブレイクと言わんばかりの顔である。そんなのり子の言葉に引っかかる雅樹。

 「なんですか、確証って?」


 「決まってるじゃない、動機よ動機。人が人を殺すには理由があるはずよ、衝動的な無差別殺人でもない限りね。」

 「そういえば…警部も時間がないからって、事件の動画と概要を説明するだけでさっさと帰っちゃいましたもんね。」

 「事件の資料もUSBも持っていかれたな、まぁ当たり前だが。」

 「そう、アタシの考えを裏付けるための"動機"というパーツが足りないのよ。」

 それについてはオレも気になって、ちょっとネットで調べた記事ですけど…と雅樹が自分のスマホをのり子に示した。忠司もURLをパソコンに転送してもらい、そちらで見ているようだ。


 ネットの記事によると、ニリポンは『ぽっちゃり女子がおちゃめなキャラでいろんなグルメ・ファッション・メイク・トラベル情報を発信する』というコンセプトでそういうコンテンツをメインに動画投稿を行っている。

 だが裏では自分は太りたくないからと、グルメ系はちょっとだけ食べたら残り物を同行スタッフやマネージャーに押し付けているのだという。そして編集して空いた皿を映し、さもニリポンが完食したかのように見せているんだとか。

 トラベル系の撮影もニリポンは思い立ったら行動タイプのようで、いきなり遠方にスタッフを呼び出したり深夜にカメラマンを同行させたりすることがあるのだという。



 「なるほどね…。ちょこちょこコメント欄で見かけてはいたけど、これが本当だとしたら周囲のスタッフは結構ストレス溜まっていそうよね。」

 静かにコーヒーを飲みながら、のり子がつぶやいた。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 ※4/18 更新分です

 ※筆者は他にも書いているものがあり、更新がない場合は他の作品を更新している可能性があります。〇日更新分ですを目安にしてくださると助かります。

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