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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
14章 生放送中の殺人事件
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14章 生配信中の殺人事件-7

 映像はもう一つある、と言った警部。続けて衝撃的なことを2人に告げた。

 「押収された被害者のスマートフォンに生放送前の映像が残されていた。恐らく生放送のテストをして、そのまま録画モードを切り忘れていたんだろう。撮影用のスマートフォンが別にもう1台あって、生放送本番はそっちのスマートフォンで行われた。こっちのテスト用の方は被害者が気づいてストップするまで録画状態が続いていて、なんとその映像に犯人の姿も映っているんだ。」


 えっ!と驚く忠司と雅樹。当然だ、その映像を元に犯人を捜せばもう事件解決である。だがそれでも自分たちの元に相談に来た警部の事情を察した忠司が口を開いた。

 「犯人の姿は映っているが、その映像ではなんらかの理由で犯人を特定しきれない…そういうことですね?」

 警部がウム、と頷きパソコンを操作してUSBに入っている別の映像を見せてきた。


 映し出されたのは自撮りモードの映像。生放送用の3脚に立てかけて角度などを事前に決めようとしているのか、頻繁にレンズがニリポンの指で隠れたりガタゴトという音と共に画面が揺れる。ようやく位置が決まったのか今度は座る場所や食器の位置などの並びを気にし始めるニリポン、こだわりの強い性格なのだろうか?壁にかかっている時計は8時40分を指している。


 そのまま撮影のセットが決まったのか、画面奥の別のテーブルでメイク道具を取り出し化粧を始めるニリポン。ここはしばらく彼女がメイクするところが流れるだけだから…と大きく動画をスキップする警部。

 しばらくして警部がスキップを止めると、部屋がノックされる。ニリポンが髪の毛をセットしながら座ったままでどうぞーと答えると、一人の女性が入ってきた。警部が説明する。

 「彼女はニリポンのマネージャーで、第一発見者でもあるキリヤさんだ。」

 動画のやり取りを見ていると『七味やのり等の薬味を用意してきましたから』と手に持っている保冷バッグからいくつかのタッパーをニリポンに見せた。放送中テーブルの上に並んでいたのは彼女が用意したものだったのだ。


 ニリポンがそれを確認しまた保冷バッグに戻し終わると、ニリポンに渡し『じゃあ私は隣の控室で次の投稿動画のチェックをしていますから』と引き下がった。時計は9時25分を指していた。



 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。


 ※この話は一部フィクションです。

 ※4/11 更新分です。

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