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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
1章 アパート女性絞殺事件
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番外編➤川島田のり子の日常-2

※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 新大久保 某飲食店 14:00。


 の「韓国料理って、意外に辛くないものも多いのね。キンパって具が違うだけで日本の海苔巻きと一緒だと思っていたけど、ごま油効いてたりして日本のとは別物ね。スンドゥブも日本のと違って刺激的な辛さだけど、しっかり汗をかけるし食べ終わったらスカッと爽快!な感じが人気の秘訣かもね。」

 天「ちょっと並びましたもんね。」

 の「この店は成功だったけど、並ぶのも博打なのよね。話題性だけで大したことないパターンも割と多いし、まぁ"並ぶようなお店を利用した私"に価値を感じるタイプもいるからあの手の商売は成り立つんだと思うけど。サクラ雇ってまで列を偽装する店もあるってウワサだし。」

 天「お次はどこへ?」 

 の「買い物にはまだ早いし、食休みと足の休憩も兼ねて新宿に戻ってテキトーなカフェかしら。カフェって客層的に流行のファッションをチェックするのにも最適なのよね。ただこの時間帯、恐らく考えることは皆一緒だろうから…。」


 休日昼下がりのカフェは案の定混んでいた。しかしのり子はすかさず空いた壁際の席に上着をかけて場所を確保してから、レジの列に並ぶ。

 の「デートなんかで窓際を確保してくれる男いるけど、冬でも紫外線とか気になるから個人的に壁際優先ね。落ち着いて休憩できるし、誰かと待ち合わせしているときは外からでも見つけやすい窓際の席が有能なんだけど。」

 言いながら素早くスマホになにやら打ち込むのり子、どうやら買い物リストである。

 の「買う物を決めておかないと、無駄にウロウロして時間食っちゃうし余計なもの買っちゃうからね。」


 実はのり子が今日買い物に来たのはただの休日ショッピングだけではない。何でも屋への仕事として"関係者のフリして結婚式に参加してくれ"という依頼が来たのである。それでご祝儀袋やアクセサリーなどをそろえるために街に出て来たのだ。

 なにやら有名和菓子メーカーのご令嬢の結婚式だそうだが、キャンセルが出てしまった。しかし席が空いているのはみっともない。その空席を何でも屋で埋めようというわけである。


 の「意外と多いのよ、そういう系の依頼。ほらこの前も八重島さんに"彼氏のフリしてくれ"って依頼があったし。ただ冠婚葬祭系の場合、話題が不自然にならないようある程度依頼に来た時に打ち合わせしておけば、あとは久しぶりに会ったからそんなの忘れちゃったーで通せるから余裕ね。恋人のフリ系は相手のクセなんかも把握しておかないとバレるから。」

 その後のり子は手早く目的の店を回り、買い物リストをチェックしながら買い物を終えた。もちろん店員が話しかけても参考にするわねと言いつつ避ける、さすがである。


 の「あ…お茶買うの忘れてた、まぁいいや暇なときで。」

 警部への緑茶の優先度は一番低いようである、依頼持ってきてくれるのに。


22/12/02 全体的に体裁を修正。(会話文の後を改行)

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