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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
13章 男と女の違い
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13章 事件と事故-40

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 「あと毎年見る惨い事件と言えばアレですよ、バラバラ殺人!」

 「確かに話題にならない年がないわよね、毎年数件発生しているイメージがあるわ。日本って世界でもかなり治安の良いイメージが持たれているけど、実際油断ならないのかもね。」

 「普段平和な分、そういう残虐な事件が起きるとメディアがこぞって取り上げるから印象に残りやすいというのもあるだろうな。」

 「あれってかなり労力のいる作業って聞きますけど…。」

 「もちろんだ。人間の皮膚や筋肉というのは意外と頑丈なんだ、特に死んだあとは死後硬直で固まるから余計にな。さらに骨だって簡単に切断できないし、血液を始めとした体液も大量に出る。海外の事例では手っ取り早く処理するために大型金属用のシュレッダーに」

 「やめて!聞きたくないわ。」

 「…そうだな、やめておこう。」

 「話聞いてるだけでゾッとしてきました。」




 妻が殺されてから約2か月が経過していた、鑑識結果によると編み棒の先に付いた血痕は男性のモノだという。それを元に関係者の情報と精査した結果、その血痕はCのものだと判明した。


 警察はCを事情聴取で呼び出した。最初はいつものように知らない、家にいたを繰り返していたCだった。ところが警察が編み棒を見せてお前の血が検出された、どう説明する?と迫ると観念したように自白を始めたのだ。


 警察の睨んだ通り、これは夫から持ち掛けられた依頼殺人だった。Cは実家で60過ぎた父親と2人暮らしだが、数年前に体を壊し思うように体が動かないことに毎日イライラする父親。そのストレスから逃がしてくれたのが夫だった。


 飲み、ゴルフ、旅行…。その代金も夫が持ってくれていたが、気づけば簡単には返せないほどの額を夫の世話になっていた。さらにCはそのストレスから、予定のない日は風俗通いもクセになっており慢性的に金がない状態だった。


 そんなとき、夫から悪魔の囁きを聞いたのだ。『計画に協力すれば妻の保険金が入る。そうしたらお前の面倒を見た分は全部チャラにしてやる、なんならほら、これが前金だ。』と事件の前に100万円を現金で受け取った。その金を手にして揺れるCの心に、夫はさらに囁いた。


 『お前も父親を殺したいだろ?アイツを殺してさらに保険金を受け取る方法、教えてやるよ。』


 窮地に陥った人間ほど、甘い囁きに乗ってしまうものだ。Cは100万円をバッグにしまい、Bとともに計画を聞かされて実行したと言った。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※2/22 更新分です。

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