13章 男と女の違い-37
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
「あと地味に昔から疑問なのが、『どうして女に体重を聞いちゃいけないのか』ってことですかね?」
「よくセクハラだのなんだの騒ぎ立てるよな、『女が男に体重を聞く』のは何も問題視されないのにな。男女平等を騒ぐ世の中なら、そこも平等にするべきだよな。」
「女性は男性と比べて、自分の体型にコンプレックスがある人がそれだけ多いってことの裏返しかもね。ほらコンビニとかに、ナイスバディのグラビアアイドルが載った雑誌が置いてあるでしょ?それで設置されてたら目に入るじゃない?無意識に比べてしまって、私の体型は…ってなっちゃうのかもね。さらに体重を聞くってそのコンプレックスをダイレクトに刺激してしまうわけでしょ?だからいつのまにか、女に体重を聞くなって文化になったのかもね。」
「比べたところで所詮自分は自分、劣等感を増幅させるだけならそんな考え方やめたらいいのに。」
「他者との比較が劣等感の方に向かず、目標や参考の方に向かえばベストなのかもな。」
ここから悪魔たちの計画は狂い始める。
警察に自殺でさっさと片付けてもらったあとで、夫にはかわいそうな遺族を演じてもらうはずだった。
しかし妻の実家の両親が詳しい捜査を警察に強く希望したことで、検察へ遺体が送られ司法解剖が行われることになった。
その結果、首吊り自殺ではまず見られない首の横の方まで柵条痕があることが分かった。また衣服の下に隠れていた両側の鎖骨の下と太もも部分に圧迫痕も見られた。
これはつまり、"誰かが妻を暴れないよう押さえつけ、首を絞めて殺した"ということだ。また死亡推定時刻は日付が変わる前後、夫が証言した帰宅時間のおよそ3時間前ということも分かった。
警察は検死の結果を受けて、自殺から殺人事件に切り替えて捜査を開始した。
当然疑いは夫にかかった。だが死亡推定時刻には店の客の証言と監視カメラによる完璧なアリバイがある。当然監視カメラの映像に加工などが加えられた形跡はないし、夫の家とこの居酒屋は車でも片道5分は必要だ。居酒屋を抜け出して妻を殺して首吊りに見せかけまた戻ってくる…少なく見積もっても30分はほしい、そんなに店を抜け出したらまず怪しまれる。
そこで次に疑われたのが"依頼殺人"だ。自分以外の第3者に金などで殺人の依頼をし、殺させるという方法だ。これなら夫は居酒屋で飲んでいるだけでアリバイを作り、同時に妻を殺すことができる。
悪魔たちは計画の狂いに焦っていた、しかも自分たちの犯行が暴かれればアレが手に入らない。
…そう、妻の保険金だ。
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※2/19 更新分です。