13章 男と女の違い-12
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
「浮気・不倫の話題も恋バナとは切っても切り離せないわよね。それに今時は怖いわよね、サッとスマホ取り出してちょっと画面操作するだけで10秒とかからず撮影・録音できるでしょ?」
「オレの調べた資料ですと…男性は浮気した女性本人を責める傾向にあり、女性は浮気した彼氏(旦那)の相手の女を責める傾向にあるそうです。」
「これに関しては浮気する本人はもちろん、恋人・配偶者がいることを知っていて誘惑する方も悪いわよね。中には『あなたが寂しい思いをさせるからつい浮気しちゃった』なんて開き直る人もいるみたいだけど、それはちょっとね。完全に逆切れっていうか禁じ手って感じよね。」
「でもなんで女性は浮気した男本人ではなく、"相手の女"を攻撃しがちなんですかね?やっぱり昔から言うように、女の敵は女ってことでしょうか?」
夫のもう一人の部下Cは、20代前半の若くて勉強熱心な男だった。妻の受けた印象では、やや背の高い細身の男で真面目そうな眼鏡の男性だった。この男は夫に忠実というか飲みにもほぼ必ず一緒についていって、経理など仕事のことはもちろんゴルフの仕方などプライベートなこともよく夫に教わっていたという。
人間、人にものを教えるというのは気分が良い物だ。なぜなら"自分はこの人に物を教えている側なんだ"と自分が上の立場であることを実感できる。それにやる気がなくていい加減な部下より、熱心で大変よろしい。夫はこのCという部下をかわいがっていた。
Cは実家に自分の父親と2人で暮らしているという。だが父親は気難しい人間で、年齢は60代半ばというが数年前に腰を痛めてしまっているそうだ。思うように体が動かないことにいつもイライラしていて、だから家に帰るより夫に着いて仕事について語ったり飲んで歩く方が楽しいとのことだ。もちろん夫は自分が気に入っている部下に慕われて嬉しいに決まっており、休みの日でも帰りが遅くなることが多くなった。
妻は複雑な気持ちだった。もっと夫婦の時間を持ちたいという気持ちと、夫が仕事や部下との関係をうまくやってくれて嬉しい気持ちと。ただ夫はもう少し資金に余裕ができればさらに従業員を2人ほど雇う計画でいるらしく、そうしたら時間の都合も取れるようになるからと妻をなだめた。
-女将さんのケガについて、噂を聞いた。なんでも客にイチャモンをつけられ殴られて、しばらく目の横の青タンが消えなかったのだという。居酒屋だから恐らく酔った客が因縁をつけたのだろうということだった。なんでも店の前で土下座をさせられ、その客周辺に近づかない代わりにもう店に来ないことで勘弁してもらったという。世の中物騒だ。
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