13章 男と女の違い-11
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
「男女の問題で外せないのがコレですよ、買い物問題!オレの妹も長いんですよ~、服屋とか一緒に行くと平気で1時間とかいますからね。オレなんて買う物決めていくから、パパッと30分もしないで終わるのに…。のり子さんだってほしい物だけを狙って買う派だから、この気持ち分かりますよね?」
「う-んそうねぇ、アタシもある程度は欲しいもの決めて行くから雅樹くんの気持ちもわかるわ。だけどお目当てのモノ以外に、何かお買い得品やお値打ちなものがあったら嬉しいじゃない?だから女性はいろいろ見て回りたいんじゃないかしら?ほら見るだけで楽しいって人もいるし。スーパーとかは歩いて回るうちに欲しい物思い出したり、献立考えながら買い物したりしてるとどうしても長くなってしまうかもね。」
「あと大体の服屋や靴屋がメンズ物よりレディース物の方が品揃え多いのも、女性が見る範囲が広がって結果時間がかかることに繋がっていそうですよね。某大手のファッションチェーン店とか、メンズ物が露骨に店の端に追いやられてたりするし…メインの客層が女性だから仕方ないんでしょうけど。」
「それにほら、男の人って自分のしか買わないけど女性は旦那や子供の分を選ぶ人もいるからじゃないかしら?だからある程度時間がかかるのは多めに見てあげてね。」
ある日夫との旧友だという従業員Bに、夫が70万を貸し付けたという。妻も一度だけ飲み会帰りにBが夫を送ってきたときに見たことがある。夫より少し年上で、どこか優柔不断そうな背のやや低い小太りな男だった。聞けばギャンブルが趣味で生活費や支払いを貯め込んでしまったため、頼み込んできたから貸すことにしたそうだ。妻は知人だからって金のことはしっかりしないとダメと、借用書をしっかり書かせるよう忠告しその通りに旦那が持ち帰ってきた。
夫によるとBはやはり優柔不断なタイプで、自分で物事を決めるということになかなか踏ん切りの付かない男だという。その分こちらが指示してやれば言う通りに動くので、従業員としては合格なのだとか。真に注意すべきは頼んでもいないのに勝手に余計なことをするタイプだ、と少し興奮気味に語る夫はやっぱり今日も酔っているようだ。代行会社の領収証を渡された妻は、いつもの"交通費領収証"と書かれたクリアファイルに収納した。
-そういえばあの子が亡くなってからだっけ、私の両親の足腰がめっきり悪くなったのは。かわいい孫だったんですものね…。もう一度笑ってもらうためにも、私が頑張らないとね。次は男の子がほしいかな、でもまた女の子でもいいな。
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