13章 男と女の違い-9
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
「まだまだ男女の違いって挙げたらキリがないのよね、例えば学生時代の選択授業とか。思い返せばアタシも中高時代あったわ。男子は柔道か野球、女子は体操かダンスって感じだったわね。」
「今時は学校もなるべく性別のくくりを無くそうとしているようですけどね。出席番号も、いつの間にか男女混合であいうえお順ですもんね。昭和時代までは男子のあいうえお順、女子のあいうえお順で分けられていたって聞きましたから。確か男女混合になりだしたのは平成になって少ししてから、だったかな?もちろん学校によって導入の早い遅いの違いはあるでしょうけど。」
「でも仕方ないのよね、どうしても考え方や体の作りが根本的に違うんだから。だからなんでもかんでも『男女平等!』って声高々に叫ぶ人たち、アタシ正直苦手なのよ。」
「世の中の1から10まで全て男女平等だったら、それはそれでお互い大変な気もしますね…。お互いの違いを容認できる広い心をみんなが持てたらいいんですけど。」
【 女児転落事故の詳細 】
・一家は元々、風邪対策のために日中は1~2時間おきに窓を少しあけて換気していたという。このときも父親が換気のために拳一つが入る程度の幅で開けていた。
・風船はベランダ端の方にあった。洗濯物を干すための物干し竿と、雨避けの間に挟まっていた。確かに位置的には端に置かれた室外機の真上にあり、そこに登って手を伸ばせば紐に届きそうだと子供でも思いつきそうだ。
・現場の状況や位置関係的に、なんらかの拍子に風船が窓の外に出てしまった。そのまま女児がベランダで風船を叩くなどしたはずみで先ほどの位置に挟まってしまい取ろうとした、と考えられた。
・室外機は6歳の子供がよじ昇るにはやや背が高かったが、その真横に空のバケツが裏返しになって置いてあった。このバケツは普段浴室に置いてあるもので、女児が足場にするために持ち出してきたと見られた。
・父親によると「私がフーフーと膨らませるところを見るのも、あの子は好きでした。だからこの風船は私が膨らませたものです」と証言し、その通り風船についた唾液と指紋は夫のものだった。他は女児の指紋しかついていなかった。
・ベランダには、父親と娘以外の者が立ち入った痕跡はなかった。
・実は誰かに突き落とされたのでは?と想像する者もいた。だが警察の捜査結果では室外機から転落したと思われる位置と、実際女児が倒れていた位置はわずか15cmほどしか離れていなかった。突き落とされたり放り投げて落とされた場合、もっと場所がずれるという。
・前述したとおり屋上・隣の家にも誰もおらず玄関にも鍵がかかっており、さらに部屋の中やベランダにいたるまで第3者の痕跡は全くなかった。
・また父親の証言通り、女児の転落時に父親はしっかりコンビニの防犯カメラに写っていた。さらにケータイの件を警官が顧客へ裏どりしたが、見積もりを依頼したことと実際FAXも送られていたことについて確認が取れた。これらの点から父親が外出中に一人留守番中の女児が起こした、不幸な転落事故と判断された。
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