13章 男と女の違い-7
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
「男女の違いで言えば外せない問題が、ダイエットよ!女性って腹回りのお肉が本当に落ちないの!」
「そうなんですか?忠司さん。」
「あぁ。女性は妊娠する関係上で赤ちゃんを守るために腹回りに肉が付きやすく、また落ちづらいという説がある。もちろん腹筋運動を始めとして腹回りの贅肉を燃焼させるダイエットメニューもあるにはある。詳しくは近くのジムへ行ってトレーナーに聞くと良い。」
「まったく、妊娠中は分かるけど妊娠してないときは付かないでほしいわねお腹周りの贅肉。」
妻はその日、夫の帰宅を待って聞いてみた。ねぇ、Aさんと居酒屋で仲良く飲んでたって聞いたけど大丈夫なの?と。そうすると半分酔っていた夫は笑ってこう答えた。
「あの人は俺たちが引っ越す前からのお客さんだよ、何回か冷蔵庫やラジオの修理に行ったことがあるんだ。今回はパソコンさ、と言っても壊れたわけじゃなくてそもそもの初期設定ができていなかったから済ませてきた。問題なくインターネットが使えますよって言ったら喜んで、居酒屋でいっぱい奢ってもらったってわけさ。」
妻はホッとした。なんだやっぱりただのお客さんか、そうよねそんな前からのお客さんじゃ無視するわけにいかないだろうし。それにAさんが評判悪くたって、所詮うちの夫はただ家電の修理に行ってるだけ。
夫はそんな妻の心配を見透かしたように、Aさんと俺が仲良くしてるって誰かに聞いて変なこと勘ぐっているんだろうと言ったので妻は正直に謝った。ごめんなさい、良くない評判を聞くのでアナタが変なことに巻き込まれたら嫌だなと思ったの。
「世の中にはそういうお客さんもいるし、きちんとお代もいただいている以上差別するわけにはいかないさ。それに何回も呼んでくれている、いわばお得意さんみたいなもんさ。」
そう笑いながら説明すると、意気揚々と風呂場へ向かって行った。
やっぱり私の取り越し苦労ね、まったく女将さんったら脅かすんだから。まぁでも何もなくてよかった、私も明日仕事だし日記だけつけて寝よう。
-今にして思えば、再婚するときに家族保険に入ったのよね。もしかしたら神様はこんな不幸な事が起こるけど、立ち直ってこれで頑張りなさいと告げていてくれたのかもしれない。あの子がグリーンピースを絶対に食べなかったのも思い出してしまった。もしグリーンピースを食べられるようになっていたら神様が褒めてくれて、あの子はもしかしたら今頃元気に…やめよう。過ぎたことだ、おやすみ。
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