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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
12章 あけましておめでとう
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12章 あけましておめでとう-7

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2023/1/4 11:35

 「小田切さんには強い動機があるが犯行は一番難しい、隣の席の高橋さんはいつでも毒をお茶に混入することができたが被害者に想いを寄せていることから動機がない。車内販売員の田所さんは当然一番自然にターゲットへ毒入り飲料を手渡せるがこちらも被害者と結婚を考えていたために、浮気を疑っていたレベルでは殺す動機としてはイマイチ薄い気がするし…。ずっと座っていたという山本さんが誰かを庇ったとしても他の乗客の証言から嘘はすぐバレるし、山本さんも被害者とは面識がない…。なんだこの事件は?犯行をしやすそうな人には動機がなく、動機がある人には犯行が難しいぞ。」

 雅樹が首をひねってぶつぶつ言ってるのを黙って聞いていた忠司とのり子。もうちょっとヒントを出そうか…と忠司が言いだそうとしたときに、のり子が口を開いた。


 「ねぇ…この事件ってもしかして、本当は松村さんじゃない人が最初はターゲットだったんじゃないかしら。」

 どういうことですか?とのり子に聞く雅樹と、黙って見ている忠司。


 「あくまでアタシの考えよ?アタシは犯人が車内販売員の田所さんだって最初から一貫して睨んでいるから、その線で考えるけどそれが一番しっくり来るのよ。いい?田所さんは松村さんの浮気を疑っていたのよね?そしてそれは事実無根で彼は一途だった、でもそれを知ったのは事件の後で警察が捜査したから。つまり田所さんは、事件発生時はまだ彼の浮気を疑っていたのよ。」

 黙って聞いている雅樹と忠司、のり子は続ける。

 「田所さんは被害者であり恋人の松村さんを狙ったのではなく、"松村の浮気相手の女"を狙ったのよ。つまり松村さんの隣に座っていた、高橋さんが彼女の狙いだったの。高橋さんの証言を思い出して?『私がお茶を受け取った』と言っていたはずよ。恋人は浮気しているかもしれない、そしてそれは目の前で彼の隣に座り談笑しているこの女…松村のSNSで繋がっている高橋に対し田所さんがそう考えてもおかしくないわ。しかし小田切さんがこのお茶はうまいと言ったことで、勝手に高橋さんのお茶を自分のものにしてしまった。だから犯人である田所さんにとってもこれは予想外の殺人になってしまったってわけ。…どう?」



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