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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
12章 あけましておめでとう
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12章 あけましておめでとう-6

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/1/4 11:30

 「ではここでヒントを一つ。この事件は実際警察でも情報が錯そうし、捜査員の間でもさまざまな憶測が飛んだ事件だ。中には他殺に見せかけて、被害者本人が自殺した説まで言う者もいた。ただ本人に自殺するような動機はその線を含め捜査されても見つからなかったが。まぁ各々、今の時点でのそれぞれの推理をまず言ってみたらどうだ?」

 忠司が説明すると、雅樹がまず口を開いた。

 「オレは動機の面で見れば小田切さんですかね、被害者を殺せば金の催促と横領の弱みを帳消しにできて一番得するのはこの人ですからね。ただ気になるのは、被害者より前の席に座っていてトイレも前のデッキだった。小田切さんが犯人だとするならいつ毒入りのお茶にすり替えたのか、あるいは混入させたのか…。トイレの前後は小田切さんの恋人である山本さんがずっと隣の席にいたわけだし、不審な行動をすればまず目に入るはず。ちなみに山本さんが恋人の小田切をかばっていたというわけではないんですよね?」

 「もちろんだ。それに、この4人の周辺は空席だったが、2・3列ずれて前後には他の客が座っていた。だから山本が庇っても他の客に証言されたら一発でバレていただろう。」

 「ですよねー。斜め前の席に座っていた山本さんなら席を立つことなく、シートを目いっぱい倒すことでお茶のすり替えくらいなら簡単ですがこっちは被害者とほぼ面識がなかったため動機がないですもんね。」


 考え続ける雅樹をそのままに、川島田はどうだ?と忠司が声をかける。

 「アタシは一貫して車内販売員の田所さんが怪しいと睨んでるわよ?でもね…彼女が怪しいのは誰が見ても一目瞭然、警察だってまず彼女を疑いその線で捜査するはず。そんな簡単な事件なら、八重島さんがこうして問題にするわけないわよね?」

 そのままのり子が続ける。

 「何か引っかかっているのよ、ずっと。何かしらねこのモヤモヤは…。そういえば、田所さんは恋人であり被害者の松村が浮気しているかもしれないって疑っていたのよね?」

 「あぁ。結局その後の調べで被害者は浮気などしていなかったし、高橋さんから想いを寄せられてはいたがゴルフ仲間以上のことはまったくないことも証明されていたよ。」


 「でもその浮気をしていなかったって事実は、警察の捜査で判明したのよね?」

 のり子が確認するように忠司に聞くと、黙ってうなずいた。どうやらのり子が真相にたどり着けそうである。


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