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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
12章 あけましておめでとう
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12章 あけましておめでとう-高橋明美の証言

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 刑事さん達が調べた通り、松村くんと私は地元が一緒の同級生なんです。しかも同じ中学・高校でした。彼とは学生時代に半年ほど付き合ったことがありましたが、お互いに恋人というより友達の感覚が強くて恋人関係は解消。でも男女の友情として他の友人を交えて一緒にお誕生日パーティを開いたりしていましたね。その後彼は大学に、私は美容師になるため専門学校に進学しその後の進路のこともあり自然と連絡を取らなくなっていました。

 私が都内に引っ越してきたのはちょうど30の時です、友人がこっちで店を出したので少し多めに給料を払うから手伝ってくれないかと…気心知れるスタッフが欲しいと誘われたので。私も東京で働く憧れがあったので、2つ返事でオッケーして上京しました。


 ゴルフはお客さんからのススメで興味を持ったんです、テニスやバレーなんかと比べればそこまで激しい動きではないけどストレス発散になると。やっぱり美容師ってサービス業ですからストレスが溜まるんですよ。こんなこと言っちゃいけないですけど、無茶苦茶な注文つけてきたりプライベートを根掘り葉掘り聞かれたり…それでその常連さんから色々教えてもらってゴルフを始めました。


 その頃SNSを始めて、松村くんのアカウントも見つけました。彼は顔写真を載せていたし、IDも名前と誕生日を合わせたものだったのですぐ彼だと分かりました。そして彼が参加するオフ会に私もお邪魔して、10数年ぶりの再会でしたから昔話に華が咲いて楽しかったなぁ。大人びた彼がゴルフの際に見せる真剣な顔にちょっとドキッとしてしまったりもしました。


 だから美人の彼女がいるという話と、その人と一緒のツーショット写真を何枚も見せられたときは複雑な気持ちでした。恥ずかしいからとSNSには載せていないみたいでしたけど。素敵な彼女がいて微笑ましい反面、その女性が羨ましくもありました。私は上京した後に一度お付き合いした男性がいたんですが結局うまくいかなかくて、松村くんとまた付き合えたらいいなってちょっと思ってしまっていたのも事実ですから。


 新幹線で車内販売の方が彼女だと紹介されてびっくりしました、写真で見るよりお綺麗な方でしたから。そのとき笑顔でやりとりをする松村くんの横顔を見て、私はもう叶わないなと思いました。

 私はお茶を受け取りましたが、先に小田切さんがお茶を一口飲んでいたみたいでこれはおいしいと。車内販売だけじゃなく自動販売機でも売ってほしいなどかなり絶賛しているのを聞いて、松村くんが俺もやっぱりお茶がいいと。それで私のものと交換しました、お互いまだキャップをあけていませんでしたから。


 お手洗いには確かに行きましたよ、小田切さんに続いて前のデッキに。松村くんは彼女がお釣りを間違えているからと後ろのデッキへ向かいました。私が席を離れたのは3分くらいかな、小田切さんは先に帰ってきていたし山本さんも座っていました。

 私が戻って1分もしない内に、後ろのデッキから松村くんが戻ってきてお弁当をみんなで食べ始めました。あとは、刑事さんがおっしゃったように彼が急に亡くなって…もうびっくりです。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

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