12章 あけましておめでとう-1
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
2023/1/4 9:00 事務所
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。」
毎年この時期に日本中の人が口にする決まり文句を、事務所の3人もお互いに言い合っていた。そして早速、のり子は来所者名簿を更新しつつ話題を吹っ掛ける。要するに年末年始の状況報告会のようなものである。
「二人はクリスマスを含めて、年末年始どうだったのよ?アタシはクリスマスイヴにC-Zのライブに行ってクリスマスは独身友達で集まってホームパーティ!」
「そのホームパーティって男子いなかったんですか?」
すかさず雅樹が突っ込む。
「いたわよ、広い家の子が会場として場所貸してくれて男女合わせて15人くらいいたかしら?しかも二組くらいカップル誕生したわ。アタシのことは聞かないでよ?…それより雅樹くんはどうだったのよ、行ったんでしょ?西城さんの身代わり合コン。」
「行きましたよ、でも彼女を作りに行ったのになぜかモテ男の爽やか幹事と仲良くなって終わりました。モテ男のモテテクニックを学ぼうと一生懸命話した結果、女性陣と仲良くなるのを忘れてしまいました。」
「何よそれ、本末転倒じゃないの。八重島さんは?」
パソコンでいつものようにニュースを閲覧している忠司は目を離さずに言う。
「俺は例のマダムの家に呼ばれてクリスマスパーティさ。なんでも娘の婿にどうだとか言われてな、ただマダムの娘さんには結婚を前提に付き合っている彼氏がいるみたいでやんわり断って来たよ。」
「あらもったいない、逆玉の輿のチャンスなのに!まぁ八重島さんはあんまり金金してないものね、そこが良いところだと思うけど。」
「ちょっとのり子さん、八重島さんはって何ですか!八重島さん"は"って。」
すかさず噛みつく雅樹をあらそんなこと言ったかしら?とかわすのり子。相変わらずである。
「ではここで、年末年始の長い休みでボケた頭を体操させようじゃないか。」
忠司が言い出した。のり子と雅樹は、新年早々乗り気である。
「景品は後で決めるとして、とりあえず出題するぞ。年末年始と言えば欠かせない話題が実家への帰省だな。それに関する問題だ。」
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