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何でも屋 H・M・Oの依頼簿  作者: ゆうき
11章 小さな二人の依頼人Ⅱ
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番外編➤雅樹のクリスマスイヴ合コン-3

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。

 2022/12/24 18:45 "酒の肴に魚"フィッシュ&リキュール


 店側はもう準備ができているということで、早速8人は店の中へ案内された。クリスマスイヴというタイミングで店の内装やムードが良いからだろう、カウンター席やテーブル席はカップルや夫婦で埋まっている。いくつか空いている席のすべてには"当席予約済み"の紙が置かれていた。


 雅樹は『合コン成功大作戦その2』と心の中で銘打ち、爽やか幹事の近くの席をキープすることを企んだ。女性陣はこの爽やか幹事と間違いなく盛り上がるはずであり、近くに座れば自分も混ざることができる。あわよくば爽やか幹事のモテテクニックをパクろうという算段もある。


 通路を奥まで案内されると正面に長テーブルが用意されており、奥の壁側がつながったソファー席で手前側は背もたれのある椅子が4脚用意されていた。爽やか幹事がソファーは女性陣でどうぞと促すと、女性陣はやっさしいー!と盛り上がりながら各々の席に着いた。続けて男性陣にも座るように促した。


 雅樹はとっさに察した、この爽やか幹事は最後に空いた席に座る気だ。この場合、爽やか幹事の横を確実に狙うには席を選ぶのが早すぎても遅すぎてもだめだ。間に違う人が割り込んだら、せっかくの作戦が早速水の泡と化す。


 いや待てよ、さらに雅樹は頭をフル回転させる。店選び・みんなを談笑させる気遣い・ソファーへ素早く女性を促すエスコート力…。それらを考慮するとこの幹事は恐らく通路側に一番近い角の席へ座るはずだ、それを読んで通路から2番目に近い席をオレが取ればいい!


 こういうときだけはやたらと察し・推理力が発揮されのは人間の不思議なところである。ともかく雅樹は一瞬の判断で2番目に通路に近い席を取った、そして雅樹のカンは見事に当たった。他の男性二人が奥に座り、通路に最も近い席は爽やか幹事が座ったのだ。


 雅樹は心の中でガッツポーズをした、さすがオレ!




 と同時に爽やか幹事の向かい側の女性も、心の中でガッツポーズをしていた。さっすが私!


 この女性、先ほど駅南口からここまで歩いてくる道中で爽やか幹事に熱い視線を投げていた女性だ。雅樹と同じようにこの幹事の気遣い上手な面を読み切り、さりげなく正面の席を確保していたのであった。


 そう、合コンとは最初の席取りの時点で勝負が始まっているのである。


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