11章 小さな二人の依頼人Ⅱ-2
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。
22/12/16 15:45
のり子の計略にまんまと乗せられた雅樹を含めた3人は、姉妹からの話を聞くことにした。
「一昨日おばあちゃんとね、いつもみたいになぞなぞクイズを出し合っていたの。そうしたら『このとっておきの問題に正解出来たら、素敵なクリスマスプレゼントをあげるよ』って言ってくれたの。」
「私たち二人で一生懸命考えたんだけど、難しくて。それでお姉ちゃんと話して、またここのお兄ちゃんたちに聞いてみようってなったの。」
姉妹は交互に話しながら、姉のゆいの方がスマホを取り出す。そこにはおばあさんからの出題で、こう書かれていた。
「これだけじゃあさすがに分からんな。」
忠司がそう呟くと、のり子と雅樹も同じ感想を抱いたようで揃ってうなずく。そこで妹のかなの方が口を開く。
「私たちもね、これじゃ分からないよってヒントをもらったの。そうしたらおばあちゃんがね…『あなたたちのおじいさんもテーブルゲームが好きでね、この暗号はそのことを思い出していたときに閃いたのよ』って言われたの。」
「テーブルゲームって言ったら、囲碁とかトランプとか…おじいさんの代だとメンコ遊びとかも入るのかな?他にはマージャンや花札なんかもそうかな?」
「UNOとか人生ゲームなんかもそうよね?」
雅樹とのり子が例を挙げながら言うそばで、忠司が姉妹に質問する。
「キミたちのおばあさんは、他にヒントはくれなかったのかい?」
姉妹は顔を見合わせたあと、もう一つだけ…と答える。
「『少し前のケータイ電話もヒントだねぇ』とも言っていました。私たちはスマホとタブレットしか使ったことないけれど、何か違うところがあったのかな?」
とりあえず姉妹と連絡先を交換しているのり子のスマホにおばあさんのメッセージを転送してもらい、またのり子が送っていくことになった。この時期は特に暗くなるのが早いからだ。
「じゃあアタシ、この前みたいに2人を送ってそのまま家に帰るから。ちょっと時間が早いけど、お客様用のコーヒーとか買わないといけないから、そこら辺は許してね。」
そう言うと、のり子は荷物をまとめて姉妹と一緒に出て行った。
「なんだー?古いケータイとテーブルゲームになんの関係が?」
さっぱりな雅樹に同じくお手上げ状態の忠司。
「この前みたくフリック入力かと疑ったが…さすがに同じ手は使わないか。」
「ところで、今週また警部が来るって言ってませんでしたっけ?」
「あぁ、年末年始のゴタゴタで来られなくなったらしいぞ。なんでも厄介な事件とか…年明け改めて頼むと言われたよ。」
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