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四十話 初めての対プレイヤー戦です!

 案内ドラゴンはいつものノリで話し始めた。


「みんな! お待たせしたね。今から早速、南国リゾートイベント『バトルアリーナ』を始めるよ。」


ギャラリーもたくさんいるようで、大きな歓声が上がっているのが、モニター越しにも聞こえて来る。


 それから、ルール説明に入った。


「『バトルアリーナ』は毎日開催だよ! 毎日先着32パーティーのトーナメント形式でパーティー同士の決闘を行って、勝敗を決めるんだ。トーナメントのベスト4まで勝ち進むことができたら次のエリア・W3への進出権を手にすることができるんだ! 」


ベスト4ということは、3回は勝たなければならないということだ。今までの進出条件と比べると、かなりキツめの条件である。


 説明はまだ続いた。


「競技上のルールを説明するよ! 基本はパーティー全員で一つのアリーナを使って戦うんだけど、細かいルールは次の通りだよ。


・試合時間は5分。


・先に相手を全滅させるか、試合時間が終わった時により多くの仲間が残っていれば勝ち。


・相手プレイヤーの倒し方は、通常通りHPをゼロにするか、場外に出すかの二通り。


・反則行為は、通常の戦闘で行えないものすべて。


このくらいだね。もしも分からなくなったらいつでもメニュー欄のヘルプからこのルールを見ることができるよ!」


 それから、大会の概要がいろいろと紹介された。あまり興味はなかったけれど、ひとつだけ気を惹かれたものがあった。


 前回大会優勝者の欄だ。前回大会は、つまり昨日行われたトーナメントだ。そこには、「アクシズ」の名前。


「ロータスさん、ロータスさん! あの『アクシズ』ってパーティー、この間の砂漠イベントのときも一位をとってましたよね?」


「ああ、そうだよ。ついでに言うとね、俺そのパーティーのリーダーと会ってるんだよね。」


「え? いつのまに?」


「君が南国来てちょっとへそを曲げてたときにね。」


「ああ、そう……。」


 トルクはそれも知らないので、ちんぷんかんぷんという感じ。


「『アクシズ』ってパーティーはそんなに凄いんですか?」


「いや、俺たちも戦ってるところを直接みたことはないんだけどね。だけど、イベントがあるごとに一位をとってるってことは実力者だということだろう?」





 俺たちの名前ももちろんトーナメント表の中にある。一回戦の相手は……「ウィークリーラーメンず」という名前のパーティーだった。


「うーん、当たり前ですけど、聞いたことない名前ばかりですね。」


「俺たちは他のパーティーとほとんど交流持ってないからね。」


 他のパーティーと話したのなんて、昨日「アクシズ」のリーチと少し会話したくらいだ。それ以外には、特にこれといった交流は持っていなかった。


 対戦相手は全員初対面だ。モンスターが相手だと全く気にすることはないのだけれど、相手が同じ人間になったときにちゃんと戦えるのだろうか?


 俺たちの一回戦は四試合目だった。割りかし早めの方だ。


「他のパーティーの試合を見るとイメージが湧いてくるかもしれないですよ。」


とミヤビが言うので、俺たち三人はそろって控室のモニターから試合を観戦することにした。


 ほどなくして、一回戦の一試合目が始まった。両パーティーとも四人構成だ。やっぱり普通は人数がそろっているものなのか。


 しかし、四人いるのはいいが、どちらのパーティーもイマイチ連帯感に欠けるような感じ。攻撃するのにも防御するのにも、息があっていない。


 対プレイヤー戦に慣れていないからだろうか。結局彼らはチームプレイを諦めたらしく、最終的にはそれぞれのプレイヤーが一騎討ちをするという構造になった。


 これでは一人ずつ戦うのと変わらない。パーティーであることを全く活かせていない。


 勝敗は、たまたま勝ち越した方のパーティーが相手パーティーの生き残りを数で押し潰す形で全滅させて決まった。


 終わると、勝利パーティーの読み上げがあり、そのあと5分間のインターバルが置かれてから次の試合が始まった。


「ぼくたち、次の次でしたよね?」


「うん、そうだよ。緊張してきた?」


「はい、少し。学生のころにやってた柔道の試合を思い出しまして。」


あら、わりかし体育会系だったのか。


 次の試合も同じような展開になった。みんな慣れていないからだろう。結局は連携が上手くとれずに個人プレーになってしまう。


 二試合目も、個人個人がうまく噛み合った方が勝ち越して残りの敵を全滅させることで勝利を得た。


 三試合目も、代わり映えがなく、言っちゃ悪いがつまらなかった。俺は途中から試合を見ていない。いつのまにか、それも終わった。


「いよいよ次ですね。」


「ああ、俺たちの番だよ。二人とも、準備はいいかい?」


「ええ、問題ないですよ。何人でもぶっ飛ばせます。」


「物騒だな、最低限で頼むよ。」


 インターバルが置かれてから、ついに俺たちが呼び出された。


「『バグ・バンデット』のみなさん。もうすぐ試合が始まりますので準備をお願いします。」


こうなると気が引き締まる。いや、緊張してきたな。足が重くなる。


 試合って形となると、不思議とアガリ症が出てきてしまう。目の前にはコロシアムの入り口。左右には、ミヤビとトルク、仲間たちが立っている。

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