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二十四話 不意のキングコブラです!

 自分の攻撃だと言うのに、すっかり圧倒されてしまっていた。こんなの災害だ。下手したらプレイヤーも巻き込んでしまうぞ。


「これ、危ないよな? 」


「でも今のところはプレイヤー同士でダメージは与えられないみたいですよ。」


「それならまだいいかな。」


でも一回攻撃するたびにヒヤヒヤしてしまうな。




 しばらく砂漠の真ん中でぼーっとしているときだった。


「ズドカーン! 」


「シャァァァァァァ!! 」


無風の空をつんざくような地響きと鳴き声。


「なんだ! 」


「あそこです! あれは……。」


ミヤビが指さした方にはコブラがいた。


 しかし、サイズがおかしい。明らかに普通のコブラよりも巨大なのだ。首を上げると二階建ての建物ほどある。


「これってもしかして? 」


「ええ、特別指定です。」


「やっぱり。見るからにそうだもん。」


 こんなのが道端で急に現れたら失禁してしまいそうだ。


「これは、特別指定モンスター『キングコブラ』です。懸賞は9,000ゴールドです。」


 化けコブラをたくさん狩ったから、親玉として出てきたのだろう。真っ直ぐ俺のところへと向かってくる。


「あ、ヤバいじゃん。俺が戦うしかないの? これ。」


「そりゃあそうでしょうよ。確実にロータスさんがトリガー引いてますからね。多分あなたしか狙われませんよ。」


ミヤビは岩に腰掛けて休んでいた。


「お前! 他人事だと思いやがって。」


 キングコブラは思いっきりこっちに噛み付いてきた。


「のわっと! 」


「よそ見してる暇ないですよー? 」


「お前ー! 」


頑張って避けたがバランスを崩した。


「まずい! 」


と、思ったが


「あれ? 」


キングコブラは俺の方ではなく、岩で休んでいるミヤビの方へと飛んでいった。


 当然ミヤビは慌てる。


「ちょっと! なんで私の方に来るの? 」


「はっはっは! 人を放って高みの見物をきめこんだバチが当たったんだよ。」


「あなたって人は! 」


形勢逆転である。どうやら、コブラを攻撃した俺だけでなく、同じパーティーのミヤビもキングコブラのターゲットに入っているらしい。


 ミヤビは暴れ回るキングコブラから逃げていた。


「ちょっと! 見てないで助けてくださいよ。」


流石のミヤビでも、一人で特別指定を相手にするのは難しいらしい。


 ちょっとは反省したと思うし、もう助けに入ってやるか。


「ミヤビ! しゃがめ! 」


「ええ! あ、はい! 」


「うぉりゃあ! 」


今回は俺がフルスイング! 直撃させるには間合いが遠すぎたものの、「デザートストーム」の衝撃波を走らせてキングコブラに命中させた。


「キシャオ! 」


キングコブラは大きくのけぞった。その間にミヤビは後ろに下がってきた。


 やはりすごい威力だ。あの巨体を突き飛ばしてしまった。


「俺が相手しないとな。」


キングコブラは俺を目当てに現れたのだ。倒すのも俺じゃなくてはならないだろう。


 キングコブラはまた標的を俺に戻した。真っ直ぐ俺のいる方へと向かってくる。


「よし来い! 」


おれはすでに剣を振りかぶっている。


「シャァァァ! 」


飛び込んできたコブラの頭に


「ズドン! 」


今度は直撃だった。実体の剣でキングコブラの脳天をとらえた。


「スババババ!! 」


剣から走った竜巻のような衝撃波が、たちまちコブラの体を切り刻んでしまった。切り刻まれたキングコブラの体は四散している。


 つまり、倒してしまったのだ。一撃で沈むとは思わなかった。四方八方に飛び散ったコブラの体はどんどん消えていってる。


「あっけないな。」


 後ろではミヤビがちょっと遠くで見ている。


「もう大丈夫でしょ? 」


彼女は一旦下がってから、ずっとそこにいたらしい。キングコブラを避けているのか、はたまた俺を避けているのか。


「いやあ、凄いですねー、その大剣。」




 キングコブラがいたところには、毒牙が残っていた。これが討伐証明になるのだろう。三体目ともなれば慣れてくるものだ。すぐにでも換金しに行きたい。


 ゴールドは余りに余っているのだが、だからといってワクワクしないなんてことはない。今どのくらいお金があるかじゃない。9,000ゴールドもらえるというだけで嬉しいものなのだ。


 


 ミヤビもようやく落ち着いて俺と話してくれるようになった。大剣を仕舞ったからだろうか。


「じゃあ、換金にいきましょうか。特別指定ですし。」


「この間のサンドディザスターはめちゃくちゃ大変だったのにね。実際ミヤビの機転がなかったら勝ててなかったし。」


「いやあ、褒めてもなにもでませんよ? でもそうですよね。キングコブラだって9,000ゴールドの特別指定なわけですから、弱いはずはないんですよ。」


「それほどこの大剣が強いってことなのかな? 」


「もしかしたら、盗賊が装備していることで何かが起きてるのかも。」


そんなことがあり得るのかはさておき、めちゃくちゃ強いからオーケーと、単純に考えていても構わないのだろうか? まあ今は深く考えても仕方のないことだけど。


 換金所でいつもの手続きをとって9,000ゴールドを受け取ったのだが、またまた渡されたのはゴールドだけではなかった。


 ゴールドを受け取るときに、換金の男性から言われた。


「特別報酬ですが、剣か、杖かをお選びください。」



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